「90歳超え」の女性が元気です 今も現役、講演、連載、ベストセラーも

   あのひと、お元気なんだ、すごいね――佐藤愛子さん、瀬戸内寂聴さん、森英恵さん、志村ふくみさん、辰巳芳子さん、吉沢久子さん、橋田壽賀子さん、笹本恒子さん、篠田桃紅さん・・・。

    半世紀以上前から息長く活躍し、90歳を過ぎても、健在ぶりがマスコミで伝えられる女性が増えている。

佐藤愛子『九十歳。何がめでたい』(小学館)
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94歳でも文芸誌に連載

   とりわけ最近、露出が目立つのが作家の佐藤愛子さん(93)。というのも、2016年8月に出版した『九十歳。何がめでたい』(小学館)がベストセラーに食い込み、大手書店では平積みになっているからだ。5月まで1年間、『女性セブン』に連載された大人気エッセイを加筆修正したものだ。

   佐藤さんは2年前、作家生活の集大成として『晩鐘』を書き上げ、「書くべきことは書きつくして、もう空っぽ」(女性セブン)と語っていたが、新著ではどっこい「愛子節」が全開だ。自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める若い人たちを叱る。アマゾン読者の評価も4.4と高い。6月にはユーモアに満ちた『役に立たない人生相談』(ポプラ社)も出している。

   ファッションデザイナーの森英恵さん(90)も元気だ。第一線で活動を続けている。10月18日には、「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会))の第28回授賞式典に出席、同協会の副会長として感謝状を贈呈した。

   染織家の志村ふくみさん(92)は昨年、文化勲章を受章。今年は9月10日から11月6日まで東京・世田谷美術館で企画展「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰」を開催した。

   脚本家の橋田壽賀子さん(91)は11月10日発売の『文藝春秋』12月号に、「私は安楽死で逝きたい」と刺激的な一文を寄稿。「夫との死別から二十七年、九十一歳脚本家の問題提起」というキャッチコピー付き。「一年半前に九十歳をむかえたのを境に仕事から遠ざかっていたのに、この夏は、また一本『渡る世間は鬼ばかり』を書いてしまいました」と仕事中毒ぶりをつづっている。

   今も講演や連載で忙しい人も少なくない。作家の瀬戸内寂聴さん(94)は10月1日、日本ペンクラブの京都例会にゲストとして招かれた。毎日新聞によると、「文芸誌『群像』に小説『いのち』を連載していますが、この年まで書いた作家はいないと思う」と近況を語り、会場にいた宗教学者の梅原猛さんは、「京都の妖怪」と寂聴さんを称したそうだ。一時はがんで入院していたが、昨春から自坊・寂庵での法話も再開しているという。朝日新聞で月1回、「残された日々」というエッセイも続けている。

   料理研究家の辰巳芳子さん(91)も達者だ。毎日新聞で「食・FOOD:辰巳芳子さんと生産者」、朝日新聞では「わたしの料理」など、今もあちこちの媒体に頻繁に登場している。長年、家庭料理の大切さを雑誌や著作、テレビなどで伝えてきたが、辰巳さんの元気な姿は、まさにそのレシピの確かさの証といえる。心強い。

篠田桃紅さんがすごい

   18年1月で100歳になるのは、家事評論家として長年活躍してきた吉沢久子さん(98)。このところ著書を連発している。今年に入ってからも、『人はいくつになっても生きようがある。 ―老いも病いも自然まかせがいい』(さくら舎)、『もうすぐ100歳、前向き。 豊かに暮らす生活術』(文春文庫)など。サポートを受けながらも仕事や家事をこなし、健康で明晰さを保つ秘訣を明かしている。

   読売新聞の記者が最近、1人ぐらしの吉沢さん宅を訪ねたら、「この心臓はもう100年近く、一度も止まらず動いてくれている。『ありがとう、いつでも休憩していいわよ』って声をかけているの」と、いたずらっぽく笑っていたそうだ。

   すでに100歳を超えた人もいる。10月25日、「第29回東京国際映画祭」のオープニングイベントで、レッドカーペットを歩いたのは、日本の女性報道写真家の草分けとして知られる笹本恒子さん(102歳)。今年は「写真界のアカデミー賞」と呼ばれる米国の「ルーシー賞」も受賞した。

   さらに上を行くのが書道家の篠田桃紅さん(103歳)だ。このところ、『百歳の力』集英社新書)、『一〇三歳、ひとりで生きる作法』(幻冬舎)、『人生は一本の線』(幻冬舎)など出版が続く。昨年の『一〇三歳になってわかったこと』(幻冬舎)は50万部を超えるベストセラーとなった。

    いずれも戦前、戦中、戦後の困難な時代を生き抜き、それぞれのジャンルを切り開いて、働く女性の先頭に立ってきた人だ。国際的な平均寿命の調査によれば、日本は女性が86.4歳で2位、男性が79.9歳で8位。「高齢でも現役」で活躍する日本女性はこれからさらに増えそうだ。

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