日本初「VR望遠鏡」の開発に成功 兵庫県篠山市で「町おこし」

   IT関連企業のアララは2016年12月22日、日本初のVR(仮想現実)望遠鏡(特許出願中)を開発したと発表した。兵庫県篠山市がこれを採用し、「青山歴史村」内の文化施設「丹波篠山デカンショ館」に設置したという。

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篠山市は文化庁の日本遺産に認定された

   VR望遠鏡のレンズを通じ、360度カメラで撮影されたダイナミックな映像を見られる。四季折々の自然美はもちろん、毎年夏にある「デカンショ祭」のにぎわいを眺めたり、ドローンの空撮によって上空からの景色や紅葉の移ろいを観賞したりできる。篠山市の魅力あふれる資源を生かす格好のツールとなりそうだ。アララによると、VR望遠鏡の特長は①ヘッドマウントディスプレイのような機材の装着が不要 ②難しいオペレーションは不要 ③コンテンツの差替えが容易、の3点だという。

   アララは今後も、全国各地の観光施設、高層ビルの展望台等にVR望遠鏡を導入し、地域の魅力を伝えるツールとして活用されるよう取り組んでいくという。

   篠山市の民謡「デカンショ節」に合わせて歌って踊るのが、「デカンショ祭」だ。明治時代に篠山出身の遊学生から旧制一高(現東京大学)の学生たちへ伝わり、「丹波篠山   山家の猿が   花のお江戸で芝居する」で始まる歌詞はたちまち全国に広まった。天下普請の篠山城を始めとして、伝統的特産物の丹波篠山黒大豆・丹波篠山松茸・ぼたん鍋や日本の酒造技術の礎となった丹波杜氏の姿など、有形・無形の文化を伝えている。

   丹波篠山デカンショ館は2016年4月、「丹波篠山 デカンショ節‐民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶‐」が2015年に文化庁の日本遺産に認定されたのをきっかけに開館した。

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