矢野顕子の伝説的ドキュメンタリー映画、デジタル復活で全国公開 

   シンガーソングライターの矢野顕子さんが主演を務めるドキュメンタリー映画「SUPER FOLK SONG~ピアノが愛した女。」が2017年1月6日、全国で公開された。

   92年に公開された同映画は、矢野さんのソロデビュー40周年を記念し、デジタルリマスター版で15日間限定の復活を遂げる。

映画「SUPER FOLK SONG~ピアノが愛した女。」
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レコーディング中の緊迫感を伝える

   矢野さんは1976年7月25日、アルバム「JAPANESE GIRL」のリリースでソロ活動を開始して以来、個性を放つ歌声と自由奔放なピアノ演奏で音楽界に不動の地位を築いてきた。92年にはピアノ弾き語りの第1弾となったアルバム「SUPER FOLK SONG」を発売し、編集なしの「一発録」レコーディングは反響を呼んだ。アルバム名を基に、映画の邦題を「SUPER FOLK SONG ~ピアノが愛した女。~」と名付けた。

   監督は、岡村靖幸の主演映画「Peach どんなことをしてほしいのぼくに」を手がけた故・坂西伊作氏だった。レコーディング中は緊迫した雰囲気に包まれていたが、何度も演奏をやり直したり、うまく弾けてほっとした表情を浮かべたり、一心不乱に打ち込む矢野さんの姿をカメラにばっちりと収めている。

   ミュージシャンの鈴木慶一さんや詩人の谷川俊太郎さん、コピーライターの糸井重里さんなどのそうそうたる面々が、映画本編ではインタビューに答えている。

坂本龍一「貴重な記録だ」

   1月6日の上映に先駆け、一足先に鑑賞した著名人はどう受け止めたか。音楽家の坂本龍一さんは、

「ひとりのアーティストのピアノ録音を、ここまで丁寧に追ったドキュメントというのは少ない。貴重な記録だ」

と評した。歌手の今井美樹さんは

「あれから24年もたったなんて。エンドロールが流れ始めた途端、ボロボロこぼれた涙が熱かった事を今も忘れない。そしてまたあの奇跡の瞬間と再会できるとは。挑む矢野さんの姿があの頃よりぐさりと胸に刺さる。今日の涙は、あの時とは違う味がした」

と感想を述べ、俳優で映画監督の竹中直人さんは

「一曲、一曲ごとに魅せる矢野顕子さんの表情をカメラがとても丁寧に捉えていて素晴らしかった。中でも《中央線》を歌うあの声に背筋が震えた。そしてラスト《PRAYER》矢野さんの佇まいがまるで〈女神のような母〉に見えた。『矢野さん、かっぽう着を着て縁側に座り ゆっくりと空を見上げて下さい...』なんて演出したくなっちまった」

と明かした。

「当時の事を思い出すと、少々照れくさい気持ちになりますが、改めて作品を観ますと40年の活動の中でこの作品は、いまの自分造りの大きなターニングポイントになっていたのだなと感じる映画でした」

   矢野さんはこの40年間を、そう振り返っている。

   矢野さんのソロデビュー40周年を記念し、青土社は月刊誌「ユリイカ」の2017年2月臨時増刊号で「総特集◎矢野顕子──ピアノが愛した女。...矢野顕子の40年」という特集記事を組んでいる。矢野さんのロングインタビューを始め、最新オリジナルアルバムの楽曲制作に携わった冨田恵一氏と大谷能生氏による対談記事、Seiho氏のインタビュー記事、鈴木慶一氏や映画監督・大根仁氏が同映画に関して書き下ろしたエッセイなども収録されている。

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