東急池上線「1日フリー乗車券」で大混雑! 乗客数、例年の3.7倍に

   東急電鉄の池上線が2017年10月9日、1日限定で乗り降り無料となった。2018年に開通90周年を迎える記念のイベント「開通90周年記念イベント 10月9日池上線フリー乗車デー」の一環だ。沿線15駅の改札付近で「1日フリー乗車券」を配布した。

   ツイッターなどインターネット上の反応を見ると、沿線の各駅で行列ができるほど混雑したようだが、実際はどうだったのか。J-CASTトレンド編集部は10月10日、東急電鉄の広報担当者に取材した。

「1日フリー乗車券」の影響は…?
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1時間あたり14本の臨時ダイヤを組んだ

   東急電鉄は2017年10月9日の始発から終電まで、沿線15駅の改札付近で池上線内が1日限りで乗り放題となる「1日フリー乗車券」を配布した。「池上線沿線の魅力を多くの方に知っていただき、訪れていただく」のが目的――。同社の広報担当者は9月7日のJ-CASTトレンドの取材に、そう答えていた。

   実際のところ、「フリー乗車券」の影響はどうだったのか。10月10日に改めて取材すると、広報担当者は「フリー乗車券」の配布数は19万枚だったと明らかにした。10日に乗り降りした客の数は56万9000人で、過去3年間の同日平均15万3000人と比べ、371%に増えた。

   一部の駅は、改札前に行列が形成される混み具合だった。駅職員は入場規制を敷き、10時から16時まで臨時ダイヤを組むなど、対応に追われた。列車の本数は時間帯によりまちまちだが、12時ごろは1時間あたり14本にのぼったという(いずれも3両編成)。

   ふたを開けてみると、「フリー乗車券」を目当てに訪れた乗客は多かったようだ。ツイッターで「東急池上線」と検索しても、

「さすがにどの駅でも乗車客が大量 休日のお昼12時過ぎ、とは到底思えない」
「五反田発の電車は旗の台の段階で『整列乗車にご協力いただいても乗り切れない恐れがあります』とアナウンスされてる(笑)」
「洗足池駅が、混雑!池上線がディズニーランド化してる!」

といった驚きの声で溢れ返っており、駅のホームが人で埋め尽くされている光景が、いくつもの写真で確認できる。

   東急電鉄の広報担当者は、

「認知向上の目標は達成できたと考えている」

としていた。

沿線住民からは不満の声も

   だが一方、日頃から池上線を利用する沿線の住民からは不満の声も漏れている。

「普段使いの池上線ユーザーが大変だよ。何したいのか、全然わからん!!」
「東急池上線沿線ユーザーですが、本日の1日無料イベントの影響で車内混雑、列車遅延、改札内入場規制と多大に迷惑を被りました」
「10/9の東急の日に東急池上線が無料。知名度アップのために思いきったことするなあと。でも混雑の影響でダイヤが乱れるのは本末転倒な気がする」

などのつぶやきが、ツイッターでみられるのだ。

   J-CASTトレンドが広報担当者にこうした声への受け止めを問うと、担当者は

「混雑とそれに伴う遅延については、把握している。ご迷惑をかけたと思っている」

と「おわび」の言葉を述べ、

「今後も関係者や地元住民と連携して魅力を発信していきたい」

としていた。

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