日本漫画家協会が海賊版サイトを批判 異例の声明で文化の衰退を懸念

   インターネット上で、無料で漫画・雑誌を閲覧できる海賊版サイトが勢いを増している(参考:「漫画村で全部(無料で)読めます」「学校でも流行ってる」「無断で大量アップロード」サイトの猛威がまた)。

   こうした状況に危機感を感じた「日本漫画家協会」は2018年2月13日、異例の声明を発表した。

スマホでも気軽に漫画が読める時代に
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「海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実」

   声明は、日本漫画家協会の公式サイト上で発表された。パソコンや携帯電話などで、以前よりもずっと気軽に漫画作品を手にしてもらえることは「本当にすばらしいこと」だとした上で、

「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実があります」

   と、海賊版サイトを批判した。

   声明の最後では、

「このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまうことでしょう。そのことをとても心配しているのです」

   と、海賊版サイトがはびこる現状を嘆いている。

「ただ読み」広がれば漫画家が生活できなくなる

   海賊版サイト問題は、2月11日に「NHKニュース7」が取り上げた。同番組は東京・渋谷で街頭インタビューを実施。若い世代が海賊版サイトを利用している実態を報じた。

「どこでも見ます。きょう朝来るときも見てたし。無料だからですかね」(専門学校生)
「ちょっと問題かなと思ったんですけど、無料だからラッキーという感じ」(大学生)

   さらに、2017年頃から注目されている海賊版サイト「漫画村」と思われる画像を映し、NHKがビデオリサーチインタラクティブの2017年12月時点での調査結果を引用しつつ、このサイトの利用者は約23万人と報道した。

   サイトの閲覧自体は日本の法律では罪に問われない。罪に問われることなく読みたい漫画が無料で読めるとなれば、ユーザーが増えるのも無理はないだろう。

   だが日本漫画家協会の理事長で、ボクシング漫画「あしたのジョー」などで知られる漫画家・ちばてつや氏は、番組を通して読者にこう呼びかけている。

「漫画が好きだったら、ただで読むってことはやめてほしいなと。出版社も漫画家たちも全然生活できなくなってしまう、ということに繋がってしまうんでね。非常に深刻な問題なんですよね」

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