これからのグローバル人材育成とは? 学長が語る「日本経済大学の未来像」

   大学経営が"氷河期"に突入している。18歳人口が減り始める「2018年問題」に直面し、学生の募集停止や統合の動きが加速。2017年は私立大の約4割が定員割れだった。

   厳しい環境が続くが、独自色を打ち出し活路を見いだす大学がある。2018年で開校50周年を迎えた日本経済大学だ。

   「今までとこれからの大学のあり方は違います」――。こう話すのは、学長の都築明寿香氏だ。日経大はこれまでどんな策を講じてきたのかを聞いた。

都築明寿香学長
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「世界各国から学生が多く集まってきます」

   東京・渋谷駅から徒歩3分。文化の最先端が集う好立地に、日経大の渋谷キャンパスはある。

   大学本館の正面玄関をしばらく眺めていると、ふと気づく。アジア圏を中心とした留学生が多く登下校しているのだ。

   それもそのはず。日経大の17年度外国人留学生受け入れ数は1位の早稲田大、3位の東大に次ぐ4位(2,983人、日本学生機構調べ)。福岡、神戸、渋谷と3キャンパスあるうち、渋谷は約8割が留学生で占める。

   日経大では、都築氏が学長に就任した07年以降、大学の「グローバル化」を推進してきた。積極的に留学生を受け入れるのも、その一環だ。

   「世界各国から日本でビジネスを学ぶために、学生が多く集まってきます」という都築氏。日経大では、学生のニーズに合わせ「漫画・ゲーム産業」「AI産業」「グローバルビジネス」「起業・事業承継」など多彩なコースを揃えてきた。日経大は渋谷を拠点に、日本の文化やコンテンツを世界に発信・発展させていく"日本発"のグローバル人材の育成に取り組んでいる。

経済大だから学べる、プロデュース力

   日経大の就職率は、99.0%(16年度)。これは、社会で活躍する「経済人」を育てる学び舎として開学し、時代の変遷とともに学校づくりや教育内容を刷新してきた結果かもしれない。

   都築氏は、こう語る。「これから18歳人口が減っていく中で、普通の大学の教育ばかりやっていてはいけないと思っています。今までとこれからの大学のあり方は違います。社会の中での役割を大学自体が把握しながら運営する必要があります」

   これまでの日経大のグローバル化においても、それは体現されてきた。例えば、キャンパス内は国際社会を彷彿とさせる、「人種のるつぼ」でもあれば、英語学習に熱心な日本人学生も多く在校している。留学先は英オックスフォードや大やケンブリッジ大、米ハワイ大など14か国35大学にまで広がっている。「グローバルビジネスコース」では、短期・長期留学は必須となっており、今後は現地でのインターンにも積極的に取り組んでいくという。

   また、これまでのグローバル化に加え、今後は実社会に適応した人材を育てるべく「プロデュース力」の養成にも力を注いでいくという。「漫画・ゲーム産業」「AI産業」「起業・事業承継」など、新しいコンテンツやイノベーションを生み出す「経済人」として身に着けるべき知識に加え、実際のビジネスを推進していくための企画力や実行力を、実社会での最新事例などを交えて学んでいくよう、カリキュラムを大幅に見直した。

「人口減少と超高齢化社会が進んでいく国内において、今後の大学は、社会に必要とされる人材を育て、輩出し続ける必要があります」(都築氏)。

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