クラシックコンサートでよく見かける 曲終わりに叫ぶ「ブラボーおじさん」

   「ブラボーおじさん」――。主にクラシック演奏会で、曲終わりにフライングぎみに観客席から「ブラボー」と叫ぶ男性のことだ。

   クラシック愛好家の間で、たびたびこれを「マナー違反」「迷惑行為」だと批判する声が上がっている。2018年6月3日ごろ、またこうした声が上がり、「ブラボーおじさん」に非難の目が向けられている。

たびたび議論が交わされる演奏会の鑑賞マナー
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演奏直後のブラボーへ批判相次ぐ

   曲終わりで、指揮者が手を下ろす前、すなわち曲が完全に終わる前に、観客が賞賛の意を込めて「ブラボー」と叫ぶことを「フライングブラボー」という。男性に多いとされており、一部では「ブラボーおじさん」などと呼ばれている。

   ツイッター上では、ブラボーおじさんに対し、かなり厳しい声が上がっている。

「ブラボーおじさんほんとに滅して欲しい。あれただ目立ちたいだけやん」
「即ブラボーおじさんほんと追放したい」
「ブラボーおじさんを許すな 指揮者が棒下ろすまでは音楽」
「ただの目立ちたがり屋。あるいは自己陶酔屋さん」

   ごく一部「感極まってしまったのなら仕方ない」との意見もあったが、「やめてほしい」「許せない」との意見が多数派だ。演奏会によっては、プログラムに「演奏直後のブラボー・拍手を自粛してほしい」旨を記載しているところもある。

奏者は「あまり悪く思わない、でも...」

   記者は大学生時代にオーケストラ(管弦楽)部でヴァイオリン奏者として活動していたことがある。毎年春・秋に開催する定期演奏会には、必ずこうした「ブラボーおじさん」が登場した。わざわざ演奏会を聴きに来てくれた客の「ブラボー」を特段不快には感じていなかったが、自身が観客としてクラシックの演奏会に聴きに訪れた際に、フライングブラボーがあった時はやや残念に感じた。

   6月4日、記者が所属していた大学オケの当時のコンサートマスター(第1ヴァイオリンの首席奏者、通称・コンマス)で、現在は勤務め先の企業のオーケストラでコンマスを務めている20代女性に、フライングブラボーについての見解を聞いてみた。「あまり悪く思わない」が、曲によって変わるとの考えだった。

「盛り上がって終わる曲なら、感動したのかな、演奏者に知り合いの人とか縁のある人がいた(から盛り上げようとした)のかなと思う。でも、静かに終わる曲ですぐブラボーと言われると、ちゃんと聴いて...と思う」

   また、こんな発言もあった。

「まあでも、言おうと思って来たのかなとは思うかな(笑)」

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