今こそ大学を見つめ直そう 改革の裏側や最近の経営事情

   6月に入り、2019年度の大学進学に向けたオープンキャンパスが各校で開催されている。受験生はもちろん、その親や将来の受験生たちが行ってみたい大学を訪れ、イベントなどに参加することで学校の雰囲気などを体感している。一方で、受験のシステムや状況は毎年移り変わり、正確な知識を身につけることはさらに重要ともいえる。今回は、大学改革の裏側や最近の経営事情などにまつわる本を3冊ご紹介。

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(http://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。


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序列・偏差値といった固定概念を打ち破る近畿大


   志願者数日本一や"近大マグロ"、派手な入学式などで注目の近畿大学だが、ベースにあるのは地道な実学教育だという。『教えて! 学長先生 近大学長「常識破りの大学解体新書」』(著者:塩﨑均 中央公論新社 842円)では、その象徴ともいえる医学部で学部長・病院長を務めてきた現学長が、知られざる強さの秘密を明かし、不本意入学者のやる気を高めるための試行錯誤を紹介。

   「"偏差値以外の物差し"って何だろう?」「大学は社会とつながっている」「"稼ぐ大学"の秘訣を明かします」「"偏差値以外の物差し"を取り戻そう」の全4章。総額400億円のプロジェクトを、なぜ手元資金ですべて賄えるのか?といった近畿大ならではの経営哲学に迫る。

大学は今後どうあるべきかを問う


   最近某大学の事件で世間が大騒ぎになったばかりだが、昨今の大学改革は正しい方向に進んでいるのだろうか。『「大学改革」という病 学問の自由・財政基盤・競争主義から検証する』(著者:山口裕之 明石書店 2,700円)では、大学改革における論点を整理し、改革を推進する側と批判する側の根拠や正当性を再考し、国家(政府)の押しつけではない、民主主義社会を支える装置としての大学のあり方を提言する。

   「日本の大学の何が問題なのか―大学改革の論点と批判」「なぜ巨額の税金を使って"学問の自由"が許されるのか」「大学の大衆化と"アカデミック・キャピタリズム"」「選抜システムとしての大学」「競争すればよくなるのか」の全5章。

消える大学と生き残る大学の違い


   恒常的な定員割れを引き起こし、人材的にも財力的にも大学を経営するだけの能力に欠ける、弱くて小規模な弱小私大を「限界大学」と名づけた。18歳人口が再び減少傾向に入る2018年以降、私立大学の定員割れが加速し、経営困難校の公立移管や統合、閉校が相次ぐのは避けられないと見られている。『消えゆく「限界大学」 私立大学定員割れの構造』(著者:小川洋 白水社 2,160円)では、戦後の教育行政の変遷や生徒を送り出す高校側の事情などを踏まえたうえで、統計データを駆使しながら、弱小私大のさらなる弱体化の背景と、定員割れの実態、そのメカニズムに着目し、その歴史的経緯にまでさかのぼって検証する。

   「試練に立たされる弱小私大」「どのような大学が定員割れしているか」「短期大学とは何か」「新たな大学像」「弱小私大の生き残る条件」ほか全9章。

   著者は埼玉県立高校教諭として勤務。並行して、国立教育政策研究所の協力者として日本の高校教育とアメリカやカナダの中等教育との比較、研究する小川洋氏。

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