「おっさん」も「終わった人」も「第二のキャリア」に挑戦 前園真聖や大橋巨泉に学ぶ


   サッカーW杯に出場した日本代表の中に「おっさん」とか「終わった人」とか揶揄された選手がいた。ところがどっこい、そのベテランたちが大活躍し、溜飲を下げた人も多かったに違いない。とはいえ、スポーツ選手もサラリーマンもいずれ引退や定年退職を迎える。今回は「セカンドキャリア」をどう生きていくか、どんな選択をするか。心構えや仕事、老後資金など実践的なヒントを紹介したい。

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ (http://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。

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僕の失敗経験を学んでもらえたら


   「酔っ払って暴力事件を起こすなんて本当に最低ですし、カッコ悪いことです。『マイアミの奇跡』は知らないけれど。『前園の事件』は知っている――」。元サッカー選手の前園真聖さんのことだ。『第二の人生』(著・前園真聖、幻冬舎、1404円)にそう告白している。

   1996年のアトランタ五輪で日本がブラジルを破った「マイアミの奇跡」の中心メンバーだった。ところが2013年に酒に酔ってタクシー運転手に暴行を加えた容疑で逮捕された。人生は、しかし、それで終わりではなかった。ゼロから再出発し、いまサッカー解説者やタレントとして活躍している。

   前園さんは「僕の失敗体験と、復帰して今に至るまでの経験や考えてきたことから、何かを学んでもらえたら」と話す。「自分にダメ出しする」「弱い心を認める」「終わったことは受け入れる」など7章。

人事プロが教える4つのキャリア


   今や、人生90年時代。このまま会社の敷いたレールを歩んでいくのか。定年再雇用で年収はどこまで下がるのか。年下の上司とうまくやっていけるだろうか――。少子高齢化が進む中、どんな選択をすればいいのか。

   『働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書』(著・木村勝、朝日新聞出版、1620円)は、突き詰めれば、次の4つしかないという。(1)今の会社に勤め続ける (2)転職する (3)出向する (4) 独立起業する。それぞれのメリット、デメリットを統計データと事例を示しながら解説する。

   具体的には「人事のプロがリアルに教える4つのキャリア選択肢」「定年前に知っておきたいキャリアチェンジの基礎知識」「人生90年時代の実践的キャリアチェンジ術」など現実的なノウハウを伝授する。

絶頂期に突然「セミリタイア」宣言


   人気タレントの大橋巨泉さんが絶頂期の50歳代半ばに突然、「セミリタイア」を宣言し、一線から身を引いた。誰もが驚いたが、それ以降はカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本の4か国を転々とする「ひまわり生活」を実践した。

   『大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択』(著・大橋巨泉、小学館、1629円)は第二の人生を見据え、「人生哲学」「老後資金」「パートナー」「居住場所」など10のテーマについて心構えや準備を伝える。

   巨泉さんは2016年に82歳で亡くなったが、元気な時に「人生で一番、自由で楽しいのが『第二の人生』です。欧米では、できるだけ早くリタイアできた人間が尊敬されます。僕は若いころから一生懸命働く一方、いろいろ準備しました。だから今の幸せな毎日があると思います」と話していた。

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