スマホがあなたの「執事」になる 使うほど成長するAI活用アプリ「my daiz」

   インターネットを通じた情報収集に変化が起きている。これまでグーグルなどの「検索エンジン」の利用が一般的だった。だが、マーケティング会社「LIDDELL」の調査によると、若年層を中心にツイッターやインスタグラムで過去の投稿から欲しい情報を探す「SNS検索」が増加してきた(※)。最近ではAI(人工知能)アシスタントを内蔵するスマートスピーカーが多数登場し、「音声検索」も注目を集めている。

   そんな中、NTTドコモがスマートスピーカーの対抗馬となるスマートフォン(スマホ)向けアプリ「my daiz(マイデイズ)」を2018年5月30日に配信を開始した。2週間で100万ダウンロードを突破し、着実に存在感を高めている。開発を担当したドコモの関崎宜史氏、近藤佳代子氏に聞いた。

関崎宜史氏(左)、近藤佳代子氏
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強みは「提案の最適化」

   マイデイズは、08年リリースの情報配信サービス「iコンシェル」と、2012年リリースの音声検索サービス「しゃべってコンシェル」を組みあわせて誕生した。ケータイがまるで執事(コンシェルジュ)のようになる――との両サービスの特徴を生かしつつ、ユーザー1人1人に沿った情報の提案を目指す。

   アプリには、天気や交通、アラーム、グルメ、観光などの生活情報のほか、音声検索ができるチャット画面が並ぶ。定期的に確認したい内容はプッシュ通知やアプリ上で確認でき、何か調べたい時は音声で検索するというわけだ。


サービス利用イメージ

   強みは「提案の最適化」にある。ドコモの近藤氏は「生年月日やお住まいのエリアなどのファクトデータとともに、利用するほどAIを活用した学習が進み、行動推定ができるようになったり、趣味嗜好が理解できるようになったりします」と説明し、こう続けた。

「例えば、(ドコモの音楽配信サービス)『dヒッツ』を例にとると、『通勤中におススメの音楽はこちら』という形で時間や場所に沿った情報を届けたり、百貨店に入るとテナントのセール情報を送ったりすることができます」

サービス利用イメージ

もう1つの強みは「音声検索の精度」

   もう1つの強みは、「音声検索の精度」にある。近藤氏は話す。

「しゃべってコンシェルでは、自分でなにを言うか明確に決めないといい答えが返ってこないというプレッシャーを感じていたユーザーがいました。そこで、マイデイズでは対話を通じて足りない情報を補うようなやりとりを意識して設計しました」
「例えば、マイデイズという名前のキャラクターに『東京駅まで行きたい』と話しかけると、『どこからですか?』『自宅から?職場から?現在地から?』という風に聞き返してくれて、答えると『移動手段は電車ですか、車ですか』と会話が続きます。JALを通じて航空券の予約をする場合は、『沖縄に行きたい』『日にちは?人数は?』...とキャッチボールをしながら予約照会までたどりつきます」

音声検索の利用イメージ
「また、音声検索だけでなく『雑談』も楽しめます。『歌うたって』というとオリジナルソングを歌ってくれたり、『疲れたなー』というと励ましてくれたり。しゃべってコンシェルンの利用者は雑談をされている人が多かったんです。そこは大事な価値として引き継ぎました」(近藤氏)

   マイデイズは、Androidおよび iOSに対応。アプリのダウンロードは無料で、一部機能の利用に月額108円(税込)となる。

   ※マーケティング会社「LIDDELL」 (東京都渋谷区)の調査結果より。2016年2月1日~6日の期間、18歳から22歳の男女100人に「最近検索によく使うのはどれ?」と聞いたところ、上位からグーグル(33%)、ツイッター(31%)、インスタグラム(24%)、ヤフー(12%)となった。

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