遺伝情報を提供するとポイント付与 個人と企業を繋ぐ新プラットフォーム

   遺伝子検査を手掛け、約71万人の遺伝情報データベースを保有するジェネシスヘルスケア(本社・東京)は2019年4月25日、個人の遺伝情報を共有するための新サービス「GenesisGaia(ジェネシスガイア)」の発表会を東京・恵比寿で行った。

ジェネシスヘルスケア・執行役員 COOの中西佑介氏
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遺伝情報にシェアリングエコノミーの概念を導入

   本サービスは、遺伝情報を研究に活用したい医療・学術研究機関や製薬、食品関連などの企業と、ジェネシスヘルスケア社が販売する「GeneLife(ジーンライフ)」ブランドの遺伝子検査キットを購入した「個人」とを結び付ける。まず企業側が、遺伝子検査キット購入者に提供される専用のモバイルアプリを通じ、遺伝子情報をどんな研究や開発に利用するか開示。それを受けて個人が同意するか否かを判断し、双方が合意すれば遺伝情報が共有される仕組みだ。

   発表会で説明に立ったジェネシスヘルスケア・執行役員 COO(最高執行責任者)の中西佑介氏は、本サービスを「日本で遺伝情報にシェアリングエコノミーの概念を導入する先駆的な事例」と位置付けており、企業と個人、双方にメリットがあると語る。

   例えば、ジェネシスヘルスケア社がアンケート調査を通じて得た個人の性別、年齢、喫煙や飲酒などの生活習慣、過去に患った病気などの条件から該当者を匿名で検索できるため、企業側は特定の遺伝的特徴を持つ人の絞り込みが簡単になり、治験薬の研究期間短縮に繋がる。中西氏によると現在、健康医療機器メーカー大手のオムロンヘルスケア(京都府向日市)をはじめ製薬会社、治験会社、化粧品・食品会社など10社以上の企業と本サービスについて協議を進めているという。

「意図しない形で遺伝子情報を運用されることはない」

   一方、個人側は協力した研究・開発の内容に応じて「GeneLife Reward Program(ジーンライフ リワード プログラム)」を通じ、「ポイント」を受け取れる。現在の用途はジェネシスヘルスケア・ジーンライフの公式ウェブサイトでの商品交換のみだが、中西氏によると年内には他のポイントプログラムへのポイント変換も可能になる見込みだ。

   そのほか個人が得られるメリットとして、中西氏は、

「情報提供に際しては都度合意を鉄則としているため、意図しない形で遺伝子情報を運用されることはない。自分の情報が誰に、何を使われているのかがわかる」

と話し、倫理面にも配慮したサービスであると示した。さらに質疑応答で「個人の遺伝情報流出の可能性」を問われると、中西氏は「データは暗号化し、外部との接点を断った自社サーバー内で厳重に保管している」とし、利便性だけでなく遺伝情報提供に際しての安心感も追求している点を強調した。

   なお、4月25日に公開されたのはジェネシスガイアのモバイルアプリ「先行配布版」で、対象はジーンライフの利用者5000人。一般向けの完全版提供開始は6月中を予定しており、初年度の利用者目標数は30万人と定めている。

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