企業公式ツイッター担当者たちが深夜の書店に集まり激闘 「ジュンク堂でミニ四駆走らせてみる」

   企業公式ツイッターアカウント担当者で集まって、「ミニ四駆」のレースをしませんか――。2019年6月下旬、J-CASTトレンドのツイッターアカウントにこんなDMが届いた。ミニ四駆とは、タミヤ(静岡市駿河区)が販売している小型の動力付き自動車模型だ。

   さる3月12日に有名居酒屋チェーン店・つぼ八が「つぼ八杯(カップ)」という大会を開催し、企業公式ツイッター担当者22人が参戦して盛り上がるなど、企業公式ツイッター界では今ミニ四駆が熱い。記者は6月13日に人生初のミニ四駆作りを経験したばかりだが、思い切って参加を決めた。

(左から)総合2位「マビノギ」、総合1位「伊藤俊亮さん」、総合3位「ファイブゲート」
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閉店後の書店でミニ四駆レース「ジュンク堂でミニ四駆走らせてみる」

   DMの差出人は丸善ジュンク堂書店(東京都中央区)公式ツイッター担当者、そして会場は千葉県船橋市の「ジュンク堂書店 南船橋店」。7月20日の閉店後から7月21日の開店前にかけ、本物の書店内に全長(3周)約300メートルのコースを作ってレースをしようというのだ。

   参加者は元プロバスケットボール選手・伊藤俊亮さんと、企業公式ツイッター担当者14人の計15人。今回のために初めてミニ四駆を作った初心者もいれば、大会出場経験者などベテラン勢もいる。記者は独学で塗装や改造を行い、ミニ四駆REVシリーズ「トライロング」で出場した。

   本大会では、「本」をテーマに製作したマシンの見た目やアイデアを競う「コンクールデレガンス(以下、コンデレ)」と「レース」の2種目の合計得点で総合順位を決めた。

   コンデレ優勝者はネクソンが運営するオンラインRPG「マビノギ」。同ゲームに登場する屋台と書店を合体させた移動型書店のマシンで、黒羊のキャラクター「パン」が操縦している(写真5)。「マビノギ」担当者によると3Dプリンターで製作しており、設計からかかった時間は「10時間くらい」。ゲーム内のイメージを崩さないよう配慮したという。

完勝・無敗のミニ四駆、実は「大会開始5分前に...」

   続いてレース部門。コースの特徴である、店舗中央を貫く約50メートルの「超ロングストレート」、そしてゴール直前の難関ゾーン「7連レーンチェンジ」に苦しめられ、試走段階からコースアウトするミニ四駆が続出した。速度だけを追求すると、ロングストレート直後に続く曲がりくねったコースに差し掛かった瞬間、マシンが勢いを殺せず吹き飛んでいってしまう。

   予選第2組に振り分けられた記者のミニ四駆もレーンチェンジが上手くいかず、完走するだけでも一苦労。何とか予選第2組首位で決勝進出したものの、対戦者は安定した走りを見せる強者ばかり。記者は無念の全敗で6位に終わったが、初のレースで決勝に出られて大満足だった。

   レース部門の優勝者である伊藤さんは予選・決勝戦の全レースで勝ち、一度のコースアウトもなし。どれだけの時間をかけて特別マシンを用意してきたのかと思いきや、返ってきた答えは――

「いえいえ、大会開始5分前に仕上げたものです。最後にミニ四駆を組んだのは2年前ですし、ローラーやブレーキをつけて改造したのは人生初。自分が優勝するとは全く思っていませんでした」

   使ったミニ四駆は「ミニ四駆スターターパックAR スピードタイプ (エアロ アバンテ)」。レース参加に欠かせない基本的なパーツやドライバーなどの工具がワンセットになっているパックだ。「早くも次の大会に呼ばれたいです。チャンピオンとして、キミの挑戦を待っている!(笑)」と茶目っ気たっぷりに話していた。

   参加者の1人であり、ミニ四駆コースを常設しているミニ四駆ステーション「ミニ四駆処きんぎょ」オーナーに取材し、伊藤さんのミニ四駆の勝因を分析してもらったところ「(1) ベースがスターターパックであり、基本に忠実だった、(2)フロントプレートはカーボン、フロントローラーにはアルミなどを使い、おさえるところをおさえた応用(改造)がなされていたことではないか」とのコメントがあった。

   なお、コンデレとレース結果を合わせた総合順位は以下の通り。

総合1位 伊藤俊亮さん
総合2位 マビノギ
総合3位 ファイブゲート

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