東京五輪成功祈願!なぜか浅草で瓦割り やる気満々で拳を振り下ろしたら...

   東京オリンピック開会式の2020年7月24日まで、残り1年。多くのアスリートたちが今この瞬間も、五輪の舞台を目指して研さんを積んでいる。

   アスリートを応援する意味を込め、自分もスポーツの分野で1年間努力し、何かに挑戦したい――ふと思い立ったJ-CASTトレンド記者は2019年7月27日、東京・浅草の瓦割り専門店「瓦割りカワラナ」に足を運んだ。まず現在の腕力で瓦割りをし、結果を踏まえて体を1年鍛え、東京五輪開会式寸前に再び瓦割りに挑戦しようと考えたのだ。

J-CASTトレンド記者が瓦割りに挑戦
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「ぜひ成功してください」と笑顔で圧をかけられ...

   記者はボクシングジムに2年半通っており、腕力には多少自信がある。それなりの記録が期待できるかもしれないと思っていると、「瓦割りカワラナ」代表の川口民夫さんからこんな一言が。

「確かに『腕力』で割るイメージが強いでしょうし、もちろんウエイトがある方が有利ですが、それだけでは上手く割れません。腕だけじゃなく全身に力を乗せる必要があり、的を正確に狙うセンスも求められます。奥が深いんですよ」

   これまでの挑戦者たちが割ってきた瓦の平均枚数は、男性9.3枚、女性5.7枚。ただ、女性でも最高で16枚割った猛者がいるという。ならばひとまず10枚に挑戦しようと考えていると、

「失敗すると悔しさが強く残りますし、瓦の変な場所に手が当たって痛かった思い出だけで終わってしまいます。体験して『成功』しないことには、この感動はわかってもらえない。だからぜひ成功してください(笑)」

   川口さんからこうプレッシャーをかけられ、途端に不安になった記者は枚数を変更。8枚に挑戦することにした。

瓦を割った瞬間「あれ?」

   「瓦割りカワラナ」では専用のグローブをつけたうえで、空手・拳法などで使われる打ち技「鉄槌」で瓦を割る。親指を外に出して拳を握り、ハンマーのように振り下ろして小指側の面を撃ち付けるのだ。

   本番前に記者は川口さんから鉄槌の打ち方、正しいフォームや足の位置・構えの指導を受ける。コツは、(1)1番下に積んである瓦を撃ち抜くつもりで、(2)直線を描くようにまっすぐ拳を振り下ろし、(3)的(写真4、瓦の上に置いてあるタオルの赤丸)を正確に射ることだ。

「成功させるために意識すべきことは色々ありますが、やはり一番は『気持ち』。どれだけフォームを整えても、本番で腰が引けてしまっては割れるものも割れなくなります」(川口さん)

   一通りアドバイスをもらい、瓦の前に立った。「気合い入れてお願いします!」と川口さんに喝を入れられ、頷く。「せいっ」と声を上げて振りかぶった拳を、地面を殴り付ける勢いで撃ち下ろした。

   次の瞬間、ガシャーン、と砕け落ちた瓦を前に覚えたのは爽快感――ではなく「あれ?割れた?」という疑問。瓦に触れた感覚こそあったが、思ったほど衝撃や痛みがなかったため、全て割れたのかわからない。恐る恐る川口さんに成功したのか尋ねると、「素晴らしい!」と笑顔で誉めてくれた。大きな達成感を得られたのは、割れずに残っている瓦がないことを確かめた時。これは気持ちいい。

「的にしっかり当たっていると拳への衝撃が少なく、痛みもありません。上手く割れたからこそ得られる感覚ですね」

   川口さんから講評をもらって調子づいた記者は、東京五輪の成功を祈って瓦16枚に挑戦するため、この1年しっかり体を鍛えようと誓ったのだった。

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