アスリートを資金面で個人が直接支援 村田諒太が後押し「Unlim」、高梨沙羅ら登録

   ミクシィ(東京都渋谷区)と、スポーツ文化に寄与することを目的に設立されたアスリートフラッグ財団は、スポーツギフティングサービス「Unlim(アンリム)」を2020年2月19日から提供する。このサービスは、応援したいアスリートやスポーツ団体を個人が金銭的に支援できるもの。

   2月5日、同財団の設立発表および事業説明会が東京・渋谷スクランブルスクエアで行われた。ボクシングのWBA世界ミドル級王者・村田諒太選手や元プロ野球選手の里崎智也さんらが登壇し、スポーツ界が抱える問題に言及した。

アスリートフラッグ財団設立発表および事業説明会の様子
村田諒太選手
里崎智也さん
ビデオメッセージを寄せた女子スキージャンプの高梨沙羅選手
ビデオメッセージを寄せたラグビー元日本代表の畠山健介選手
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才能あっても資金なければ競技続行できない

   「Unlim」は、金銭的な課題によって競技活動が難しい、あるいはスポーツを通じて社会に貢献したいと考えるアスリートやチームを支える仕組みだ。同サービスに登録しているアスリートやチームに対し、ファンが「Unlim」を通じて寄付をすると応援ポイントを贈ることができ、その寄付金額の67%~83%がアスリートやチームに「支援金」として支払われる。寄付金の一部は公益性のあるスポーツ振興団体や財団の運営費などにも配分される。

   事業説明会に「Unlim」の賛同アスリートとして登場した村田選手は、「自分の場合は本当にありがたい環境で、デビューした時からスポンサーがついていました」とまず一言。そのうえで、才能がありながら活動資金不足で競技を続けることができない選手を多く見てきたと話し、こう続けた。

「プロとして活動し続けるのは難しい。チケットの売り上げがなかなか上手くいかない、しかも1回戦ったところで5万から10万円ぐらいしかもらえない、それが年に2回ないしは3回...。そういう状況を我慢しきれない選手が多いです。そこで夜のアルバイトを始めたりすると、プロでありながら主な収入源はアルバイト、なんて状態になり、『バイトの方がもうかる。だったら努力するよりも...』と競技をやめ、才能を無駄にしてしまう。こうした状況を打破したい」

里崎「高年俸なのはごく一部の選手だけ」

   里崎さんは「セカンドキャリア」をキーワードに、「Unlim」の利点を挙げた。

「ぼくが心がけていたのは現役時代にいかに貯蓄し、資産を残すかということだった。『プロ野球選手はあまりお金に困っていないでしょ』という認識かもしれませんが、高年俸なのはごく一部の選手だけ」

と、自身の経験談を踏まえて球界の現状を指摘。年俸以外の副収入がほぼないといえるプロ野球選手にとって、資金を得られる手段が増えるのはセカンドキャリアにおいてもかなりのアドバンテージが得られるのではないかと話した。

   説明会終盤、「Unlim」に登録予定の女子スキージャンプ・高梨沙羅選手やラグビー元日本代表・畠山健介選手のビデオメッセージが紹介された。この2人のほかに、女子レスリングの中村未優選手やフェンシングの三宅諒選手といったアスリート、Jリーグ・FC東京やBリーグ・千葉ジェッツなどのチームが同サービスに登録する。

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