緊急事態宣言解除も「満員電車耐性」なくなった 在宅勤務定着で出勤再開憂うつ

   首都圏1都3県と北海道で継続していた緊急事態宣言について、安倍晋三首相は2020年5月25日夕、解除を表明した。その前から、ツイッターには「満員電車」や「テレワーク」などがランクインした。

   電車通勤しているユーザーからは「満員電車がまた始まりましたね」、「いやまじでもう満員電車なので、解除の波ってすごいよ」と悲鳴が上がっている。一方「出社するのは構わない。とにかく満員電車が嫌だ!」と、通勤と電車の混雑を分けて考える人もいる。

緊急事態宣言解除も「満員電車耐性」なくなった
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通勤自体にはメリット感じる人も

「今回通勤時間というものが自分の時間として貴重だと判明した。(満員電車はやだけど)」
「個人的には満員電車がなければ通勤はあってもいいかなと思います」

   通勤を好意的に受け止めているツイート例だ。「家族や仕事から少し離れて1人の時間を持てる」、「ネタが思いうかぶ」ことなどをメリットとして挙げている。それでも「満員電車がよい」という人は記者が見た限り、いない。

   以前は満員電車のストレスに耐えて通勤していた人たちの中にも「満員電車耐性がまじでなくなった」、「出勤再開うつが来そう。緊急事態宣言中に落ちた満員電車耐性はもうゼロ」と、長期の外出自粛や在宅勤務などで生活が変わり「慣れ」が消えてしまったと弱音を吐く者がいる。

50代男性「長年の不快な通勤に慣れてしまっている」?

   ビッグローブが2017年に全国20~50代の社会人男女800人を対象に行った「通勤に関する意識調査」に興味深いデータがある。「混雑した通勤電車に乗っていられる時間」について、「30分以内(5分以内、15分以内含む)」と回答した人が全体の8割にのぼっているのだ。「混雑を気にしていない」のはわずか1.8%しかいない。満員電車への嫌悪感が読み取れる。

   また同社は、特に50代男性が「長年の不快な通勤に慣れてしまっている」と分析している。通勤電車について混雑や移動時間の問題が回避できる場合、「現状の仕事への幸福感は高まるか」という質問結果が根拠だ。年代別に見ると、若年層ほど通勤電車の快適さと幸福感の因果関係が大きく、20代男女はともに「幸福感が大きく高まる」、「幸福感が高まる」と回答した人が70%だった一方、50代男性では「幸福感が大きく高まる」と回答した人が9%に留まったためだ。

   緊急事態宣言が解除されても、「3密」を避けての通勤が望ましいことに変わりはない。「ラッシュアワー」は戻ってきてしまうのか――。

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