「優先席」座って譲らない人たち 日本人は劣化した?実は昔から?

優先席のマナー問題を語り合う西原理恵子さんと青山浩さん。

   「火鍋チャンネル」のゲストは今回も、元厚生労働省政策統括官の今別府(いまべっぷ)敏雄さんだ。子育てを取り巻く社会に話が及んだ。

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クレーマー問題は「AIでクリアになるかも」

   山本一郎さんは、多くの人が共通して思い描くような人生のロールモデル(模範、手本)が、今は存在しないことも少子化問題の根底にありそうだと指摘する。右肩上がりで経済が成長したかつての日本は、家計を支える父親の年功序列、終身雇用によって家族の生活は守られていたし、懸命に働けば豊かになるとみんなが信じていた。そこには、希望があった、というわけだ。

   今日は、当時と状況が異なる。だからこそ国民が希望を持てる政治であってほしい、と青山浩さんは訴える。その一方で「声の大きい、権利主張するだけの人も、本当に苦しんでる人も一緒くたに(した施策を)やり過ぎ」と指摘した。

   これに応じた西原理恵子さんは、学校などへ苦情を入れるクレーマーを引き合いに「声の大きい、迷惑な人の声を拾い過ぎ」と憤ったが、今別府さんが「そういうのってAIでクリアになるかも」と話すと、この意見に納得の様子。今別府さんはさらに、過去に上司が「日本刀を持った陳情者の相手をずっとしてました」と驚きのエピソードを披露した。

   その後、今別府さんが取り上げたのは「電車の優先席」問題。子どものころは優先席があいていても、座れないものだったという。いまは自身も含め、空席なら座ってよいと考えているが、「お年寄りが来ても立たない(人がいる)じゃないですか」「あの一事で、もうこの国が劣化したってすごく分かりました」と嘆く。これを聞いて、「昔からわりとみんなマナー悪いよ」と西原さん。優先席のマナー問題を機に、子どもが大事にされる社会について思いを巡らせる。続きはYoutube「火鍋チャンネル」で。

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ゲスト:今別府敏雄(いまべっぷ・としお)
1981年に厚生省(現厚生労働省)入省。内閣参事官、厚生労働省保険課長、同省医薬食品局長などを歴任。退官後は企業の顧問や取締役を務める。灘高校出身で青山浩さんの先輩。
西原理恵子(さいばら・りえこ)
漫画家。1964年高知県生まれ。武蔵野美術大学卒。88年、週刊ヤングサンデー『ちくろ幼稚園』でデビュー。代表作に『ぼくんち』『毎日かあさん』など。母から娘に向けた生き方指南『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』は30万部のベストセラーに。ほか、『りえさん手帖』『ダーリンは74歳』など著書多数。青山浩さんとは一緒にFXに挑戦したり、ネットの魚屋「サイバラ水産」でタイアップするなど旧知の間柄。
公式サイト:http://toriatama.net/

山本一郎(やまもと・いちろう)
情報法制研究所 上席研究員。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。IT関連のコンサルティングやコンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査を手掛ける。介護と育児の「Wケア」に奔走しつつ文筆活動もこなす。著書に『ネットビジネスの終わり(Voice select) 』『ズレずに生き抜く(文芸春秋)』など。
公式ブログ:https://lineblog.me/yamamotoichiro/

青山 浩(あおやま・ひろし)
株式会社小肥羊ジャパン元代表取締役。1973年大阪府生まれ。東京大学法学部卒。2005年、株式会社ウェブクルー代表取締役社長を経て06年小肥羊ジャパンを設立。勲五等タイ王冠勲章の受勲経験も持つ謎の実業家。何モノかは、西原さんによるウェブ漫画『青山浩と西原理恵子の太腕繁盛記』(https://note.com/xfy_saibara)に詳しい。
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