頻発するガス点検を装った「強盗事件」 点検は4年に1回、事前に「必ず」案内用紙を配布

   2020年8月頃から、東京都や神奈川県などの首都圏でガスの点検を装って家に侵入し、現金などを奪う強盗事件が頻発している。20年9月22日付の朝日新聞デジタルの記事によると、9月には神奈川県横浜市や川崎市などで複数回発生した。

   犯人はいずれもガスの点検を装い自宅を訪ねたというが、実際に訪問された場合、本物の業者かどうか見分けるのは難しそうだ。公式サイト上で注意喚起を行う東京ガスに、具体的な注意点を聞いた。

ガス点検を装った悪質な事件に注意(画像はイメージ)
東京ガスグループ社員が着用する制服(画像1、写真は東京ガスの提供、編集部で一部加工)
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点検の7日~14日前を目安に案内が必ず配布され

   東京ガスによると、犯行の主な手口として、ガスの点検等を装いドアを開けさせ、自宅に侵入して暴行し現金やキャッシュカードを奪う例のほかに、ガスの集金員などと称して家を訪問し、検針票を用いてガス料金を詐取するなどがある。

   ガス点検で業者が家を訪ねることについて、広報担当者は、

「点検の7日~14日前を目安に案内が『必ず』配布されることを知っていてほしい」

と話した。東京ガスでは、4年に1度法令に基づき「ガス設備定期保安点検」を行っているが、必ず事前に訪問予定日と時間帯を記載した紙を配っているそうだ。こうした事前案内なしの急な訪問には注意したほうが良い。また、点検時に点検費用を請求されることもないため、あらかじめ知っておこう。

   次に、実際に訪問してきた際にも十分に注意が必要だ。確認すべきは、作業員の制服と身分証の2点。東京ガスグループの作業員は制服を着用し、「身分証」を携行、証明として客に提示しているという。担当者は、「もし訪問時に少しでも不審に感じた場合は、制服の確認と、作業員に『必ず』身分証の提示を求めてください」と説明した。

   制服は、グレーもしくはベージュのデザインで、左胸に東京ガスグループのロゴが入っている(画像1)。とくに制服のロゴをしっかり見てほしい、と話した。

身分証などの確認はドアを開けずインターホン越しに

   しかし、油断してドアを開けてしまえば侵入される可能性がある。制服と身分証の確認は、玄関のドアを開ける前、インターホン越しにしよう。提示を求められれば「いくらでも見せます」とした。それでも怪しいと感じた場合は、ドアをあけずに東京ガスお客さまセンターに連絡し、訪問が予定されているか確かめてほしい、と続けた。

   20年9月16日放送の情報番組「news every.」(日本テレビ系)内では、防犯ジャーナリストの梅本正行氏が、身に覚えのない業者などの訪問時の注意点を解説した。まず「とにかく絶対に玄関ドアを開けない」ことが重要とし、「身分証を確認するときも、内側からドアガードやドアチェーンをかけたまま会話をするのが良い」と説明した。

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