「てんかん」について知ろう 急に「発作」が起きても落ち着いてサポートを

   毎年3月26日は「パープルデー」だ。国際的なてんかん啓発の日として、日本では一般社団法人 Purple Day Japanがイベント企画などを行っている。

   製薬会社ユーシービージャパンは「パープルデー」に合わせて、てんかんの疾患啓発を目的としたプレスセミナーを2021年3月24日に東京都内で開催した。てんかん領域の第一人者である新宿神経クリニック院長・渡辺雅子氏が登壇し、治療方法や患者とその周囲の人が気を付けることなどをテーマに講演した。

てんかんのプレスセミナーで解説する新宿神経クリニック院長・渡辺雅子氏
セミナーはオンラインでも配信された
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国内では毎年約5万7000人発症

   てんかんは慢性の脳疾患で、神経細胞「大脳ニューロン」が過剰に興奮することで反復性の発作が起きる。日本神経学会では「発作は突然に起こり普通とは異なる身体症状や意識、運動及び感覚の変化などが生じる」と定義している。

   国内では毎年約5万7000人の発症が確認されており、世界での有病者数は6500万人にのぼる。脳に何らかの障害や傷があり、それが原因となる場合や、調べても原因不明の場合も。発症はあらゆる年代でみられ、現在は健康でも今後患う可能性は誰にでもある。渡辺院長によると、最近では高齢になって発症する例も増えているそうだ。

   発作には大きく分けて脳の一部が興奮する「部分発作」と、脳の大部分がいっせいに興奮する「全般発作」がある。発作は突然起きる。目の前にいる人が急にけいれんし、意識もうろうとなれば、どうするだろう。多くの人は、慌てて救急車を呼んでしまうのではないだろうか。

   ただ、てんかんの発作は1分~数分で自然に収まるため、救急車を呼ぶ必要は基本的にはない。大切なのは、発作が起きた際に安全を確保し、冷静にサポートすることだ。ケガをしないようにモノをどける、火や水など危険な場所から遠ざける、衣服の襟元をゆるめ、ベルトをはずすなどが挙げられる。

   渡辺院長は、落ち着いて対応するためにもまずは正しく「知ること」が重要だと強調した。

災害時も「薬だけは必ず持って逃げて」

   てんかんの治療は、薬の服用が基本となる。スマートフォンのアラームを使うなどして、決められた時間に忘れず、正しく飲む必要がある。

   近年では大きな地震や台風などの自然災害によって、急に避難を余儀なくされることがある。渡辺院長は災害時、患者に、

「携帯電話や財布は忘れても後で何とかなりますから、とにかく薬だけは必ず持って逃げて」

と伝えていると話す。「薬は患者さんにとって、命の次に大事なものです」。また、急に自宅に帰れなくなることもあるため、5日~1週間分の薬を常に持ち歩くようにしてほしい、と説明した。

   てんかんの治療には、その他にも睡眠時間の確保やストレスをため込まないなど、患者自身が規則正しく生活を送ることが大切だ。そのためにも、周囲の病気に対する理解が進むことが望ましい。

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