「COCOA」アップデートで修正もまだ不具合 特定機種で「1日1回再起動」残る

   新型コロナウイルスの接触通知アプリ「COCOA」に、アップデートが実施された。今回更新されたのはスマートフォンの基本ソフト「Android(アンドロイド)」版のアプリだ。最新バージョン「1.2.3」として、2021年4月21日から配布を開始している。

   これまでに様々なバグの発生が報告されてきたCOCOAだが、前バージョン「1.2.2」 では、Android版COCOAを正常に動作させるために「1日に1回程度」再起動が必要だった。今回この不具合を解消した一方、スマホの特定機種で正常に動作しない場合があるという。

1日1回の再起動から解放されたが
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「可能な範囲」で動作テストを行った結果

   2月18日にAndroidとiOS(iPhone向け基本ソフト)に配信された「1.2.2」の仕様では、Android端末で使用した時に、接触情報に関する処理が正常に行われず、陽性者との接触通知が届かないという現象が起きていた。

   この不具合の回避策として、厚生労働省は1日に1回程度COCOAアプリを再起動するように呼びかけていた。再起動することで、各端末に接触に関する情報がダウンロードされ、通知の処理が実行される。

   今回「1.2.3」で施された修正により、定期的な再起動は不要となった。一方で、サムスンの「スマートフォン「Galaxy A41」(以下A41)では、「1.2.3」でも接触通知の処理が実施されない不具合が存在すると厚労省が明らかにした。

   4月23日に内閣官房情報通信技術総合戦略室の担当者に取材すると、動作不良の原因は「不明」で、現在究明にあたっているとした。A41ユーザーに対しては、「1.2.2」のように1日に1回程度の再起動を呼びかけている。

   「可能な範囲で多くの機種」で「1.2.3」の動作テストを行ったところ、A41でのみこの現象を確認。他機種での不具合は報告されていないという。A41での動作の改善を待っていては時間がかかると判断し、先行的に最新版のリリースを実施したと担当者は説明した。

正常に通知受け取れない場合がある

   Android版のCOCOAをめぐっては、20年9月28日に配布されたバージョン「1.1.4」以降、接触通知が届かない不具合が起きていたことが21年2月3日に判明した。さらに2月18日には、「iOS13.5」を搭載しているiPhone端末でも障害が起きていたことが発表された。

   厚労省は4月16日、「職員全体のITリテラシーの底上げ」といった施策を織り込んだ不具合の再発防止策を発表している。

   一方で、厚労省公式サイトによると、Android端末の機能により、消費電力を抑える「省電力モード」や通信容量を抑制する「データセーブ機能」を実行している場合には、アプリの動作が制限されるため、正常にCOCOAの通知を受け取れないケースがある。これは「現在進行形」だ。

   利用者に対しては、こうした機能が動作を制限する対象から「COCOA」を外すなど、端末の設定を確認するよう求めている。

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