気圧の変化で体調崩す「気象病」 台風でも常に同じ症状になるとは限らない

   台風16号の影響で、2021年10月1日は関東地方沿岸部を中心に荒れた天候になる見込みだ。ウェザーニュースによると、一部の地域には暴風警報が発表される可能性がある。

   台風が近づいてくると、毎回頭痛などの体調不良になる人がいる。天気による不調は「気象病」と呼ばれ、梅雨の時期にも起きる。頭痛や腹痛、めまい、ぜんそくといった持病の悪化など症状は多岐にわたる。気象病について詳しい話を、慶応義塾大学医学部神経内科非常勤講師で、医学博士・健康気象アドバイザーの舟久保恵美氏に取材した。

台風が接近、「気象病」がつらい(画像はイメージ)
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大型台風で症状が出やすくなる

   舟久保氏によると、気象病には気温、湿度、気圧が関係している。中でも気圧の変化は、自律神経、とくに交感神経に影響を与え、自律神経の乱れを引き起こす原因になる。すると、人それぞれの「弱い部分」に不調が出てきやすくなる。気象病のメカニズムは、台風でも梅雨でも変わらないが、台風のほうが気圧の差は大きいそうだ。

「気圧の差が大きいほど、症状が出やすくなります」

   舟久保氏は、こう話す。台風時はとくに体調に注意するよう、気を付けておくと良い。

   また、台風は、中心気圧が低いほど「大型の台風」という意味になる。そうした台風が近づいてくると、気象病の症状が出やすくなる。ただ、症状はひとそれぞれで、台風の性質や種類によって何が変わるのかは、解明しきれていない。

「中には台風の風向きや、風の強さで症状が出てしまう人もいます。また、台風通過後など気圧が上がるときや、気温差に影響を受けやすい人もいて、一概にどの台風でどうなるかは、わかっていません」

梅雨前線のまわりの小さい低気圧が影響

   梅雨の時期は、台風ほど気圧の差は大きくはならないが、梅雨前線のまわりに小さい低気圧がいくつも発生する。「ずっと雨が続いて、体感では気圧の差は感じないかもしれませんが、この小さい低気圧によって、調子が悪いと感じやすくなります」。

   気象病には、朝食をきちんと食べ、適度な運動、十分な睡眠など「自律神経のバランスを整える」ことや、耳回りの血流を良くしてめまいや頭痛などの症状を改善するマッサージなどの対処法がある。J-CASTトレンドでは、2019年9月30日付の記事で、気象と体調不良の関係、またその対策について取り上げている

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