日本はトンガとつながり深い ラグビー、珠算、風力発電そして皇室

   2022年1月15日に海底火山が大噴火したトンガ王国は、日本と約8000キロも離れているが、つながりが意外に深い。よく知られているラグビー以外にも、珠算、風力発電、カボチャ、皇室・・・。トンガに対する無償資金協力で日本は世界2位だ。今回の地震でも、積極的な支援が期待されている。

2019年のラグビーW杯で、トンガ代表がみせた「シピタウ」(写真:ロイター/アフロ)
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世界2位の無償資金協力

   トンガは、ラグビーが盛ん。試合前の戦いの踊り「シピタウ」も有名だ。日本代表のヴァルアサエリ愛、中島イシレリの両選手らの母国でもある。人口約10万人だが、日本には約170人のトンガ出身者が暮らしている。約600人に1人が日本にいる。

   外務省のウェブサイトには、両国の深いつながりが紹介されている。

   まず、珠算。日本は1989年からトンガ教育省へ珠算隊員や小学校教諭隊員を派遣。現在では,ほとんどの小学校で珠算の授業が行われているほど珠算が普及している。

   日本からトンガへの無償資金協力は、2018年までに累計で287億円。世界で2位だ。英連邦に属するトンガは、地理的にも豪州やニュージーランド(NZ)との関係が深いが、日本はNZよりも多い。

   こうした資金協力で、上水道や病院が整備されている。中でも特筆すべきは、風力発電だ。2019年7月、ニュートーア地域で5基の風力発電所が完成した。

   このプロジェクトは、延べ約40人の日本人、約80人のトンガ人による混成チームで進められた。担当した国際航業の徳田啓司氏は、「この風力発電所運用で進行する地球温暖化を減速させ、トンガの未来に明るい輝きをともし続けることを期待したい」と報告している。

正式な支援要請

   トンガの重要な輸出品になっているのが、カボチャだ。

   南太平洋に位置するトンガは、日本とは気候がまったく逆。このことに着目したある日本の商社マンが1980年代後半、日本でカボチャの収穫できない時期に、トンガで栽培したカボチャを日本へ輸入することを思いついたのが始まりだという。

   トンガは南太平洋の島国では唯一、王制が残る国だ。そんなこともあり、日本の皇室と交流が親密だ。外務省のサイトによると、皇族のトンガ訪問も多い。

   2003年10月 秋篠宮同妃両殿下
 2006年9月 皇太子殿下(故トゥポウ四世の国葬御参列)
 2008年8月 皇太子殿下(ジョージ・トゥポウ五世戴冠式御参列)
 2012年3月 常陸宮同妃両殿下(故ジョージ・トゥポウ五世の国葬御参列)
 2015年7月 皇太子同妃両殿下(トゥポウ六世戴冠式御参列)

   林芳正外相によれば、今回の大災害に関してトンガ政府から正式に支援要請が来ているという。両国の深いつながりに、トンガ側は大いに期待していると思われる。

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