ガンプラ「MGドム」もう転売 発売日あちこち行列「並んだのに買えない」

   「ガンプラ」――アニメ・機動戦士ガンダムシリーズに登場するロボット(モビルスーツ)の、プラモデルキットだ。2022年2月11日に 「MG 1/100 ドム」(MGドム)というキットがアップグレードされて発売になると、各地の家電量販店で開店待ちの列ができたと話題になった。

   「ドム」は1979年放送の初代「機動戦士ガンダム」作中に登場した機体だ。その人気から、入手できなかったという人は少なくない。

実際に組み立てられた新しい「MG 1/100 ドム」(画像はしらこ@強制休職中さんの提供)
2月11日朝、ヨドバシカメラ マルチメディア梅田の並び(インターネットユーザーの提供)
ヨドバシ梅田で配布されたガンプラ再販商品購入表(整備兵Cさんの提供)
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はるか前方から「売り切れました」

   インターネットニュース「HOBBY Watch」2021年9月17日付記事によると、「MG 1/100 ドム」は当初、1999年に発売された。メーカーの「BANDAI SPIRITS」公式サイトによれば、今回のMGドムは新規金型やパーツの更新により「アップグレード」し、外装などが改良されている。

   価格は5500円(税込・以下同)。ただガンプラは近年品薄や転売が相次いでおり、今回もフリマアプリ「メルカリ」では22年2月14日までに、MGドムが8000〜9000円といった価格で数十件転売されている。

   ツイッターユーザーでガンプラファンの「整備兵C」さんに取材した。発売日の2月11日は寒い中、MGドムを買うために大阪市の「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田」に早朝5時40分から並んだ。並び始めの段階で先頭から人数を数えてみると、自身は60番目台だったという。最大時には「300人ぐらい居たんじゃないでしょうか」。

   この日はMGドム以外のガンプラの再販もあった。列の待機客には6時45分ごろ、「ガンプラ再販商品購入表」という用紙が店舗スタッフから配られた。再販される商品や入荷数量が記載されており、MGドムの入荷数には「27」とあった。

   その後、購入表をもとに、スタッフが先頭客から順番に買いたい商品を聞き取り、購入用の整理券を配っていった。

   あるタイミングで、列のはるか前方から「MGドムが売り切れました」という声が響いてきたという。在庫は27だが、おそらく27番目の客で売り切れたのではないかと整備兵Cさんは話す。目当てのMGドムは手に入らなかったが、別の商品を購入したと明かした。

   もともと、旧版のMGドムのキットは持っていた。ただ昔からのガンダムファンとして、アップグレード版もパッケージを目にすると欲しくなるのだという。一方、数時間寒さの中に並びながらMGドムの購入はできなかった。今回の経験を踏まえ、「(苦労するぐらいなら)転売品を買う人がいてもおかしくはないでしょうね」と語った。

転売にファン「許せない」

   「Mitsuru Yamazaki」さんは、発売日に7時15分から東京・錦糸町の「ヨドバシカメラ マルチメディア錦糸町」に並んだと取材に語る。この時点で列に7人おり、その後も何人か自身の後ろに続いたという。その後入店するも、ドムは3〜4人ほど前の客で完売し、購入できなかった。

   「買えないのはしょうがない」と感じてはいるが、MGドムの入荷数に関する告知はなし。「寒い中待たされただけだと思うと」と、不満を明かした。

   ツイッターユーザーの「しらこ@強制休職中」さんは、東京・吉祥寺の「ヨドバシカメラ マルチメディア吉祥寺」に始発電車で行き、並んだ。朝7時ごろから列の人数が増えはじめ、最終的に20人程度に。9時ごろに店員が購入用の整理券を配布し、9時30分の開店後「運良く」MGドムを購入できたと取材で語った。

   しらこさんによると、「ドム」はもともと人気の機体の上、キットの出来もいい。ファンの間では「ドム(のガンプラに)にハズレなし」と言われているという。今回のアップグレードは、発表時から話題だったのだ。

   転売は、投機的にガンプラが扱われていることもあり「許せないというのが正直な気持ちです」。買いたい人に適正価格で行き渡るようになって欲しいと語った。

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