発達障害と診断された研修医 「心の診療所」で親子が抱える困難と向き合う

   【明日のベストセラー(55)】

「気分に合わせて音楽のプレイリストを選ぶように、漫画も気分に合わせて楽しんでほしい」

   漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。 5月は「母の日に読みたい家族を描いたマンガ」というテーマでピックアップする。

「リエゾン ーこどものこころ診療所ー」
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来院すれば必ず解決とはならない

   第55回は、「うっかり」が多い研修医が、地方の小さなクリニックで子どもたちや、その家族と向き合う医療物語「リエゾン ーこどものこころ診療所ー」(著・ヨンチャン/竹村優作)。「ドジ」な研修医の志保は、新しい研修先の児童精神科医・佐山から発達障害との診断を受ける。志保は、医師という立場だけでなく当事者としても発達障害と向き合っていくことに。

   注意欠如・多動症や自閉スペクトラム症、拒食症、児童虐待、発達性ディスレクシア(読み書き障害)など、クリニックを訪れる子どもたちとその家族が直面している困難はさまざま。家庭の数だけ苦しみがあり、胸が締め付けられる。作中では患者の数だけ物語があり、「来院することで全てが解決しハッピーエンド」とならないケースがほとんどだ。「苦しみは軽減される。しかし、それぞれの症状や事情は抱えたまま、向き合い続け現実を生きていく」というエンディングは、読者にとってはビターだが前を向いて生きる力になる。第1話はこちら

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