■安田記念「カス丸の競馬GI大予想」
大混戦を勝つのはどの馬か


   カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。先週のダービーは久しぶりにカスヨ姉さんが◎△で馬単を当てたじぇい。ガジュマル爺も〇◎▲で3連複当てたきゃすう。さて、残り少ない春のGIだけど、この調子で当てまくるじぇい。今週はマイル(1600メートル)のチャンピオンを決める安田記念(2022年6月5日、東京競馬場、芝1600メートル)きゃすう。それにしても大混戦だじぇい。グランアレグリア引退後、この距離の絶対王者がいないきゃすう。先週当ててご機嫌のカスヨさんの本命◎はソウルラッシュだじぇい。目下、4連勝で乗りに乗ってる馬きゃすう。


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4連勝馬ソウルラッシュか復調のサリオスか

   カスヨ ソウルラッシュは4連勝してるわりに、注目されていないようね。新馬戦を勝った後、中距離を中心に使われていて、掲示板に載るか載らないかの成績でパっとしなかったんだけど、昨年暮れの1勝クラスからマイル戦を使うようになってから勝ちだしたのね。前走が重賞初挑戦。いきなりGIIのマイラーズカップ(阪神)を勝って一気に重賞ウイナーの仲間入りを果たしたのね。スタートで大きく出遅れたんだけど、上がり(最後の600メートル)タイムのかかる馬場の中で後方13番手から一気の末脚で12頭をごぼう抜きよ。普通に考えたら到底届きそうにない位置だったことを考えると、GIを勝てるだけの実力を持っていることが証明されたと考えられるわ。東京コースも今週日曜日でCコース4日目。外差しの決まりやすい今の東京コースなら、十分に頭(1着)の可能性があるわ。4連勝中だけど人気になりそうにないのでおいしいかも。5連勝で一気に頂点を奪取するわよ。

   カス丸 右回り専用かと思ったけど、左回りの中京競馬場でも勝ってるきゃすう。不安は初めての斤量(負担重量)58キロだけだじぇい。爺の本命◎はサリオスきゃすう。この馬は同期にコントレイルがいなかったらチャンピオンだったはずなのに、なんだか運の悪い馬だじぇい。最近はフツーの馬に成り下がった印象だけど、なんか変わり身があったきゃすう?

   ガジュマル爺 何を言っておるんじゃ、カス丸。それはサリオスに失礼というもんじゃ。確かに、前走の高松宮記念(中京)は香港帰りの初戦で、しかも初めての1200メートル戦じゃったから、スプリンター特有の早い流れに乗れずに15着と大敗したんじゃが、とはいえじゃ。その前の昨年12月の香港遠征、つまり香港マイル(シャティン1600メートル)ではきちんと3着に来とるわい。そもそもじゃ、サリオスは2019年の朝日杯フューチュリティステークス(阪神1600メートル)で初のGI制覇で2歳マイル王となった。しかし、3歳クラシックの皐月賞(中山2000メートル)、日本ダービー(東京2400メートル)と、コントレイル(その後、菊花賞に優勝。3冠馬)の2着に敗れ、悔しい思いをしてきたはずじゃ。3歳秋は毎日王冠(GII、東京1800メートル)で初の古馬との対戦をなんなく突破(1着)。続く、GIマイルチャンピオンシップ(阪神1600メートル)に挑戦。グランアレグリアに次ぐ2番人気に推されたが、5着に終わった(優勝はグランアレグリア)。図太い体型もあってか、前走はスプリント挑戦だったんじゃが、まあこれがいい意味でガス抜きとなったはずじゃよ。今回、得意の距離に戻ることは大きなプラス材料で、さらに香港マイルで手綱をとった来日中のダミアン・レーン騎手が騎乗するのは心強いはず。念願のGI2冠となるはずじゃ。

   カス丸 ふーん、言いたいことはわかるきゃすう。さてと、対抗〇だけどカスヨさんはダノンザキッド、爺はセリフォスだじぇい。

   カスヨ ダノンザキッドはごぞんじのように、新馬戦から3連勝でGIホープフルステークス(中山2000メートル)を勝った実力馬よ。安田隆行調教師と川田将雅騎手の師弟コンビで、川田騎手がホープフルSを勝った時に男泣きしたのが記憶に残っているわ。3歳の春は成績がイマイチで骨折もあったからダービーを断念したけど、3歳秋の富士ステークスで初めてマイルを使って4着だったわ。休み明けで22キロ増だったことを考えると実力を示せた一戦だったと思うのよね。続くGI、マイルCSでは中団を追走して勝ち馬のグランアレグリアから0秒2差の3着とマイル適性があることを示したわ。前走の中山記念(GII、中山1800メートル)はスタートで出遅れ、大外回して7着と人気を裏切る競馬になったけど、今回はその辺を川田騎手も計算して乗ってくると思うから大丈夫なはず。GIを取るだけの実力を持っていると思うけど、休み明けよりはひと叩きしたほうが良いタイプっぽいので対抗評価としたわけね。

   カス丸 ふーん、順当だったら本命◎きゃすう? ずいぶんと買ってるわけだじぇい。爺のセリフォスはこの前のNHKマイルカップ(GI、東京1600メートル)で4着だったきゃすう。爺が本命にしてたじぇい。

   ガジュマル爺 そうなんじゃ。あのレースでは、好位につけたものの、最後の直線で内に入り込んだことが結果的によくなかったんじゃ。一時は先頭に立ったんじゃが他馬と離れて、ポツンと1頭だけで走らされた格好となり、伸びずに4着じゃ。朝日杯FS以来、4か月ぶりというレース間隔も響いたのかもしれん。ただ、この馬は出走したレースはすべてマイル戦で、上がり3ハロン(最後の600メートル)はいずれも速いタイムを記録しておるんじゃ。今回は3歳馬ゆえ、古馬との斥量差も有利なはずじゃ。父のダイワメジャーはマイルGI3勝という名マイラーで、2007年のこのレースの覇者。父子制覇がかかっておるんじゃ。

   カス丸 さて、今年のGIは伏兵が無視できないきゃすう。必ずと言っていいほど上位に食い込んでくるじぇい。有力馬をあげてもらおうきゃすう。

昨年3着のシュネルマイスターの調子は?


   ガジュマル爺 わしは4頭じゃな。まずは単穴▲にカフェファラオじゃ。昨年と今年のダートGI、フェブラリーステークス(東京ダ1600メートル)を連覇。東京のダート1600メートルは、それらを含む4戦4勝と無類の強さを発揮しておる。芝コースは昨夏の函館記念(GIII、函館2000メートル)以来、2戦目。函館記念では初芝にもかかわらず1番人気に推されたが、終始中団(16頭立て)のポジションで伸びることなく9着に終わったんじゃ。ただ、やや距離が長かったことや58.5キロの酷量を負っていたことを考えると、もう少し走れてもいいはずじゃ。今年のフェブラリーSの走破タイムが芝コース並みの1分33秒8と驚異的だったこともある。さらに、そこで3着だったソダシがぶっつけのローテーションで芝のGI、ヴィクトリアマイル(東京1600メートル)を制したことを考えると、すんなり勝っても不思議ではないわい。堀亘行調教師は現役最多の安田記念3勝。サリオスとの2頭出しで4勝を目指すというわけじゃな。 2頭目は昨年本命◎にしたシュネルマイスターじゃ。前走の海外GI、ドバイターフ(UAEメイダン、芝1800メートル。日本のパンサラッサと英ロードノースが1着同着)で1番人気に推されながらも8着と、初めて大敗を喫したんじゃ。しかし、国内では7戦4勝2着2回3着1回とすべて馬券圏内(3着以内)で、唯一の3着が昨年のこのレース。NHKマイルカップを制して臨んだ初の古馬との対戦じゃったが、勝ったダノンキングリー、2着のグランアレグリアに、上がり(最後の600メートル)32秒9の脚で食らいついとった。この2頭が引退して不在なら、十分に主役を貼れる1頭ではあるはずじゃ。ただ、不安材料は海外帰りであることじゃ。ドバイターフのレース後、クリストフ・ルメール騎手は「敗因がわからない」とインタビューで答えておった。馬場が合わなかったのなら敗因がはっきりしておるが、馬自身の体調や精神状態が問題であったとすれば、帰国後の初戦から走れるかどうか心配だなところじゃ。 3頭目は、ファインルージュじゃな。9戦して3勝2着4回3着1回。唯一、馬券圏内(3着以内)を外したのが東京2400メートルのGIオークスだけ。GI成績も昨年の桜花賞(阪神1600メートル)で3着、秋華賞(阪神2000メートル)と前走のヴィクトリアマイルの2着と、どれも惜しいレースばかりじゃ。1600メートルの距離に限っても、GIIIフェアリーステークス(中山)で優勝したほか、桜花賞3着、初の古馬相手の前々走、東京新聞杯(GIII、東京。勝ち馬はイルーシヴパンサー)とヴィクトリアマイルが2着とすべて馬券圏内に入っておる。鞍上が、先週50代で6勝目の日本ダービーを制した武豊騎手に乗り替わるのもプラスじゃな。安田記念は牝馬が好成績を残すレースだけに、一発の期待は大きいはずじゃ。 最後の1頭がソングラインじゃ。こちらも牝馬じゃな。昨年のNHKマイルカップを7番人気ながら、池添謙一騎手を背に広く長い東京コースの直線を一気に抜け出すと、追い込んできたシュネルマイスター相手に、あわやと思わせるデッドヒートを演じておった。ハナ差の2着に敗れたとはいえ、その時の脚は強烈。マイル戦までならGIでも通用すると思わせたんじゃ。もともと、その年の紅梅ステークス(1勝クラス、中京)を1400メートル戦とは思えぬ、3馬身差で楽勝(2着はララクリスティーヌ)すると、次走の桜花賞でも穴人気(7番人気、結果は15着)になっとった。東京のマイル戦は未勝利勝ち、GIIの富士ステークス勝ちを含め、4戦2勝2着1回と得意。2番人気ながら、5着に終わった前走のヴィクトリアマイルは2月の海外遠征(GIII、1351ターフスプリント、サウジアラビア芝1351メートル。1着)帰りだったことを思えば、叩き2戦目のこのレースこそ勝負じゃな。主戦の池添騎手が引き続き手綱をとることも心強いわい。

   カスヨ 私は3頭にしとくわ。まずは単穴▲にしたナランフレグよ。前走の高松宮記念で14番手から上がり3ハロン33秒9の豪脚で差し切り勝ち。高松宮記念でグレナディアガーズに騎乗した福永祐一騎手が「ゴールドアリュールの子が勝ったことに尽きる」なんてコメント出していたけど、高松宮記念以前の4走もすべて上がり最速で2着、1着、3着、2着とすべて馬券に絡んでいたから実力が高かったのは間違いないわね。今回は初のマイル戦となるから人気にはならないかもしれないけど、魅力のある末脚に期待する。ハマれば頭まであってもおかしくないわ。 2頭目はカテドラルね。ここ3走は不甲斐ない成績だけど、マイル重賞ではたびたび馬券に絡む堅実な馬よ。3歳時のNHKマイルカップではグランアレグリアに先着して馬券に絡んでいるんだから秘めた力は持っているはず。ただ、いつその力が発揮されるかが読めないのよ。だから、いつも馬券には入れるようにしているわ。後方からの競馬になると思うから、差しが届く展開になればおもしろい1頭よ。 最後にレシステンシアね。前走のヴィクトリアマイルでは久しぶりのマイルにもかかわらず3着と自力を見せたわ。逃げても番手に控えても競馬ができる強みがあるんだけど、GIでは2着、3着が多くて勝ち切るところまではいかないのよね。ただ、どんな相手と走っても好走するし、今回は人気になりそうにないので馬券に入れとくわ。

   カス丸 今週もいろいろ迷うじぇい。でも、マイルだけを走ってきたセリフォスが本命◎きゃすう。今度は外枠に入ったからNHKマイルカップと違い、馬場の外側をまっしぐらに走ってくるじぇい。

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