東京1万人目前、コロナ「BA.5」は強力 ワクチン3回接種でも感染リスク

   新型コロナウイルスが猛スピードで再拡大している。日本だけでなく海外でも同じ傾向だ。主役はオミクロン株の新たな変異種「BA.5」。感染者の半数以上はワクチンを2回打っており、中には、ワクチンを3回打った人も感染している。

ワクチン効果は、時間と共に低下していく
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実質的に「第7波」

   東京都では2022年7月7日、新規感染者が8529人と、2日続けて8000人を超えた。全国の感染者も4万人を突破し、前の週の同じ曜日の2倍になった。「第6波」が終わらないうちに、「第7波」に入ったとの見方もある。

   東京都の場合、新規感染者の半数以上はワクチンを2回接種している。3回打った人の感染者数は公表されていない。

   テレビ朝日は7月5日、6月末にコロナに感染した女性に取材している。女性は、3回目のワクチンを3月9日に打っていた。感染が考えられるとしたら、通勤電車の中ではないかと語っている。割と空いていたが、向かいに座っていた女性がマスクなしで、せきをしていた。「ちょっと嫌だったんですが。通路挟んでますし、私もマスクをしていましたし。まぁいいかなと思ってて、あえて言うならそれかな」と振り返っている。

確実に感染を防げるわけではない

   すでに、ワクチンを3回接種済みの人は全国で6割を超えている。しかし、感染者は急増している。3回目の効果はどのくらいなのか。

   NHKは5月3日、「東京都が、新規陽性者のワクチン接種歴を調べた結果、3回接種していた人で感染が確認された人の割合は、2回接種した人の3分の1以下だった」と報じている。

   東京都は、ことし3月1日から4月18日までに都に報告された新規陽性者のワクチン接種歴を調査・分析した。

   それによると、未接種の人で感染が確認された人の割合が平均で0.53%だったのに対し、1回接種した人で0.48%、2回接種した人で0.36%となった。これに対し、3回接種した人で感染が確認されたのは平均で0.11%、割合は2回接種した人の3分の1以下だったという。また、重症化した人の割合も3回接種した人は2回の人に比べて4分の1以下だった。

   3回目のワクチンが、一定の効果を持つことは実証されているが、接種したからといって、確実に感染を防ぐことができるわけではない。また、ワクチン効果は、時間と共に低下していくため、早い時期に3回目を打った人ほど、現在はリスクが高まっているともいえそうだ、

再感染の恐れもある

   感染拡大は日本だけではない。TBSによると、世界保健機関(WHO)は6日、新型コロナの世界の感染者が過去2週間で30%近く増加しており、欧米では「BA.4」と「BA.5」と呼ばれるタイプが感染拡大を加速させていることを明らかにした。

   テレビ朝日によると、「BA.5」は、オミクロン株の中でもとくに感染力が強く、免疫をすり抜ける能力があるとされる。ワクチンを接種すると、ウイルスの働きを抑える中和抗体ができるが、海外では初期のオミクロンと比べ、「BA.5」の場合、この抗体の強さが3分の1程度まで低下するという研究報告もあるそうだ。

   さらに、自然感染で作られる免疫は「BA.5」に対しては十分ではないとも。国内で「第6波」の中心だったオミクロン株の「BA.1」と「BA.2」に感染していても、再感染する可能性があると報じている。

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