PS5品薄のまま値上げ 「コスト上昇すれば転売ヤー減る」シナリオの行方

   「プレイステーション(PS)5」が値上げする。2022年9月15日より、ディスクドライブを搭載した通常版は5万4978円(税込、以下同)から6万478円に。「デジタルエディション」は4万3978円から 4万9478円と、それぞれ5500円高くなる。

   もともと高額での転売が横行しているPS5。突然の発表に、ゲームユーザーの間では衝撃が走っている。

プレイステーション5、品薄のまま値上げへ
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転売価格「相場」8~9万円

   プレイステーション公式ブログで8月25日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)最高経営責任者のジム・ライアン氏の名義で値上げを発表した。世界的な物価の上昇や、為替変動について触れつつ、「この困難な経済情勢の影響を受けて」価格改定を決定したと説明している。

   日本に限らず、欧州、中東、アフリカ、南米、カナダ、そしてアジア太平洋の一部地域で値上げを行う。なお、米国内での価格に変更はない。

   PS5は2020年11月の発売から22年8月25日現在まで品薄が続く。8月25日にフリマアプリ「メルカリ」を見たところ、PS5通常版は8万円~9万円を相場として転売されている。

   J-CASTトレンドは8月7日付記事(PS5とPS4のソフトが売れない 転売横行のゲーム機が手に入らないからか)で、ゲーム業界に詳しい東洋証券のシニアアナリスト・安田秀樹氏に取材。一定の水準までPS5の通常価格を引き上げれば、転売にかかるコストがかさむため、転売目的での購入需要の抑制が期待できると同氏は指摘していた。

   再び安田氏に取材した。今回の5500円という値上げ水準だと、現状の供給量のままでは転売抑制には足りないとみる。

まだ利益は見込める

   インターネット上のPS5買い取り業者を例にとると、8万円ほどで本体の売却を受け付けているところがあるという。PS5の需要に供給が追い付いていないなか、PS5(通常版)が約6万円になったとしてもまだ利益は見込めるのだ。

   価格改定後、SIEが本当に供給を改善できれば、転売行動が減る可能性は出てくると安田氏はコメントした。

   なお今回の値上げに際してSIEは、「当社ビジネスへの影響を踏まえ、このたびの価格改定はどうしても避けることのできない決断」と説明。今後も供給状況の改善を最優先に取り組んでいくという。

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