ゴダール作品を特集上映 東京・下町の新映画館で

   仏の映画監督、ジャンリュック・ゴダールさんが2022年9月13日に亡くなった。「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」など、1960年代の作品で有名だが、日本ではあまり知られていない80年から90年代の作品が、東京・下町に新しくオープンした映画館「Stranger(ストレンジャー)」で10月6日まで特集上映されている。

オープン記念の花が並ぶ「Stranger」。映画ファンでにぎわっている
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80~90年代の作品

   上映されているのは「勝手に逃げろ / 人生」(1980年)、「パッション」(82年)、そして不可分なものとしてカップリング公開された「マリアの本」と「こんにちは、マリア」(85年)、さらに「右側に気をつけろ」(87)、「JLG / 自画像」(95)、「フォーエヴァー・モーツアルト」(96)の6作品。

   「勝手に逃げろ / 人生」はゴダール自身が「第二のデビュー作」と呼ぶ、単独監督作としては13年ぶりの商業映画だ。登場人物3人それぞれの「道のり」が、〈1. 想像界〉〈2. 不安〉〈3. 商売〉〈4. 音楽〉の4部構成で展開される。物語は3人の人生が絡み合い展開する音楽のように構成されている。「パッション」は商業映画復帰の二作目。

監督の死去と同じタイミングでの上映

   「Stranger」(東京都墨田区菊川3-7-1、都営新宿線・菊川駅から徒歩1分)は9月16日にオープンした。座席数は49席のカフェ併設の小さな映画館だ。映画を「知る」「観る」「論じる」「語り合う」「繋がる」という5つのコンセプトで提供、客同士で自然発生的にコミュニケーションが生まれることを狙っている。新しいスタイルの映画館だ。

   今回のゴダール特集は、たまたま監督の死去と同じタイミングでの上映となった。日本での上映権利切れの作品6本を、仏から買い付けたという。上映スケジュールは、同館のウェブサイトで告知されている。

   10月8日からは、特別企画として、カナダの映画監督、ブランドン・クローネンバーグの長編デビュー作「アンチヴァイラル」の限定リバイバル上映が予定されている。

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