老舗ゲーセン「ゲームハウスアリババ」閉店も 「節電システム」取り入れ再生

   電気代の高騰で、ゲームセンターの経営が苦境に立たされているとの報道を見かける。ゲームセンター「アミューズメントスペースコミ丸」(三重県四日市市)公式ツイッターは2023年3月13日、別の会社が運営している岐阜県大垣市の老舗ゲームセンター「ゲームハウスアリババ」が3月末で閉店し、「コミ丸」を運営している「エヌコーポレーション」(四日市市)が引き継ぐと発表した。閉店理由は、「光熱費高騰等の経営状況の悪化」だという。

   「ゲームハウスアリババ」は、4月から「アミューズメントスペースコミ丸アリババ大垣店」として再オープンする。ゲームセンターとして再生するにあたり、独自の「節電システム」を取り入れるという。

「アミューズメントスペースコミ丸 四日市店」 節電を取り入れている(画像は西森直史氏の提供)
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客がいない時間帯は電源オフ

   コミ丸ツイッターの説明によると、アリババ店は2022年度において約1500万円の赤字が予想されており、現状の仕組みでのゲームセンター経営は難しいと判断。「特に光熱費の高騰が顕著」で、2022年の光熱費は月あたりでおよそ35万円だったところ、23年の直近の光熱費は月80万円。2倍以上に増加した。

   そこで、コミ丸が従来から導入している節電システムを取り入れて改装。全体コストを削減して完全閉店を回避し、新体制で営業を継続するとのことだ。運営元は変わるが、現状のアリババ店の店長やスタッフはそのまま引き継ぐ。

   節電システムについて、エヌコーポレーション代表の西森直史氏に取材した。店内に、ゲーム筐体の起動や電源オフを遠隔で制御できる「スマートスイッチ」を導入するという。

   来店客のいない時は節電のため筐体の電源は切っておくが、スマートスイッチは機械学習により来店が多い時間帯を学んでいく。精度は100%ではないものの、夕方など人が多い時間には自動で電源を入れられるようになるのだという。

   また客自身でも筐体を手動でオンにできるボタンを導入。立ち上がりまで3分程度かかるが、筐体がオフになっていても客の手で起動できる。

   以前から運営しているコミ丸四日市店には、導入済みだ。光熱費の高騰により月の電気代が80万円に達するゲームセンターもあるなか、節電を通してコミ丸では月13万円程度に抑えているという。アリババ店でも、電気代の大幅削減をはかる。

老舗の経営を引き継いだわけ

   アリババの閉店は、ゲーム機の卸売業者を通して知ったと西森氏は話す。「よかったら経営を引き継がないか」とのかたちで業者から紹介があり、西森氏は現地の様子を何度か調査した。

   アリババに設置されているゲーム機は古い機種が多く、昔ながらのゲームセンターの雰囲気だという。節電システムや最新機種を積極的に取り入れている「コミ丸」とは雰囲気が異なり、経営方針から引継ぎは難しいと当初は考えた。

   一方、長年地域密着で営業しているこの店に、熱心な常連客が存在することに気付いた。例えばゲームプレーの様子を録画したり、インターネットで配信したりするための機材が何台も、客の負担で寄付されているのだという。またアリババを支援するため、客が主導で集まり、店内でのゲーム大会を定期的に開いていることを知った。

   「『この場所を失わないためにできることはないか』と、お客様同士が何かをやっているすごいお店だと。ちょっと感動しました」と西森氏。節電システムを取り入れたうえで、最新のゲーム筐体も導入し、古くからの客に加えて新たな客層も呼び込むことで、ゲームセンターとして生まれ変わらせることができるのではないかと考えたとのことだ。

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