2024年 3月 19日 (火)

無担保融資 急拡大

初めての方ご注目!プロミスなら最短1時間融資でお急ぎでも大丈夫!

   大手銀行が2006年3月期に過去最高の連結利益を計上するのは確実な情勢になっている。利用者への利益還元、サービス向上などを真剣に検討しないと、「儲けすぎ」という批判が出てきそうだ。

   そこで、JINBNでは6大大手銀行グループに対して、2006年3月期の業績予想や、予想される批判に対する説明、方策など7項目についてアンケート調査を実施した。6大大手銀行グループすべてが調査に応じた。
   調査結果によると、担保に頼らないいわゆる「無担保融資」について、「1年間で3倍に増えた。今後も中小企業向け無担保貸し出しを強化していく」(みずほフィナンシャル)など各グループとも拡大傾向にあり、今後も積極的に取り組む姿勢を強調している。

全国銀行協会が入居する東京・丸の内の銀行会館。協会には大手銀行がすべて加入している
全国銀行協会が入居する東京・丸の内の銀行会館。協会には大手銀行がすべて加入している

   例えば、三井トラストは2005年4月から、中小企業向け融資の「ビジネスローン」を始め、「事業資金の無担保融資に積極的に取り組んでいる」としている。また、三井住友グループは「原則無担保のビジネス・セレクトローンの利用客のうち、約3割は新規だ」として扱いが拡大していることを明らかにしている。
   「儲けすぎ批判」については、「より良い商品サービスを提供することで支持を得ていきたい」(三菱UFJ)「お客に満足いただける商品サービスの提供を通じた利益の還元を検討」(りそな)といった回答にとどまった。
   アンケート結果の詳細は以下の通り。


Q1. 2006年3月期の業績予想
三菱UFJフィナンシャルグループ
【連結】
経常収益 40,850億円(前年比 +55.4%)
経常利益 10,650億円 (前年比 +79.5%)
当期純利益 7,600億円 (前年比 124.6%)

詳細は、四半期連結損益計算書(PDFファイル、25ページ目)
三井住友フィナンシャルグループ (1)三井住友フィナンシャルグループ
【連結】 【単体】
経常収益 35,000億円 540億円
経常利益 8,500億円 480億円
当期純利益 5,500億円 700億円

(2)三井住友銀行
【単体】
業務純益 9,500億円
経常利益 6,600億円
当期純利益 4,300億円
みずほフィナンシャルグループ
経常収益 34,000億円(前年比+1.2%)
経常利益 9,800億円(前年比+49%)
当期利益  6,300億円(前年比+0.4%)
りそなホールディングズ
【連結】
経常収益 7,611億円(前年比-0.0%)
経常利益 2,772億円(前年比-2.7%)
四半期純利益 2,657億円(前年比-16.2%)

18年3月期、中間決算発表時のリリースペーパーをご参考にしてください。平成17年度中間決算 発表時説明資料 P8 Ⅷ. 平成18年3月期の業績予想(PDFファイル、2ページ目)
三井トラスト・ホールディングズ (中央三井・三井アセット合算ベース)
実勢業務純益 1,900億円(前年度比▲11億円)
(前年度比 -0.6%)
業務純益 1,840億円(同▲121億円)
(前年度比 -6.2%)
経常利益 1,300億円(同▲199億円)
(前年度比 -13.3%)
当期純利益 1,200億円(同279億円)
(前年度比 30.3%)
住友信託銀行
【連結】 【単体】
修正業務純益 1,850億円 1,600億円
経常利益 1,550億円 1,350億円
当期純利益 950億円 850億円
Q2.利益が大幅に伸びた理由
三菱UFJフィナンシャルグループ リテール・法人・受託財産の顧客3部門の営業純益は順調に推移したことに加えて、与信関係費用が大口先の業況改善による引当金戻入等により、約1兆円改善したことが主因。
三井住友フィナンシャルグループ (1)投資信託・個人年金保険・証券仲介及び投資銀行業務への取組みとグループ会社の強化・相互協働を推進したことによる増益
(2)前年度に将来リスクへの対応強化の為、貸倒引当金の積み増しを行ったことによる今年度の与信関係費用の減少。
みずほフィナンシャルグループ 預貸対応収益は減少する一方で、投信の窓販や、企業向けシンジケートローンやM&A等による手数料収益が増加、また人件費などの経費を削減したこと等が主因です。
りそなホールディングズ 18年3月期第3四半期の連結純利益は、前年同期に比べ減少しています。

平成18年3月期 第3四半期情報の開示について(PDFファイル、3ページ目))
三井トラスト・ホールディングズ 本業の儲けを示す実勢業務純益は1,163億円(前年同期比▲98億円)となりました。
住友信託銀行 連結ベースでは、各子会社などの業績好調に加え、新規に連結対象となった住信・松下フィナンシャルサービス、ファーストクレジットの収益が寄与。単体では上期のマーケット収益の前倒しでの大幅積み上げに加え、投資信託や年金保険の販売、不動産仲介などの手数料収入が引き続き好調に推移していることが主因。


Q3.本業の貸付での利益はどれくらいですか。
三菱UFJフィナンシャルグループ 貸出金利息 9,277.77億円

詳細は、四半期連結損益計算書(PDFファイル、4ページ目)
三井住友フィナンシャルグループ 資金利益 6,976億円(業務粗利益に占める割合: 60.9%)

詳細は、平成18年3月期第3四半期財務・業績の概況(PDFファイル、9ページ目)
みずほフィナンシャルグループ 貸出金利息 7,941.1億円(前年同期比▲1%)
りそなホールディングズ 18年3月期第3四半期の連結粗利益のうち資金利益は4,076億円です。

平成18年3月期 第3四半期情報の開示について(PDFファイル、3ページ目))
三井トラスト・ホールディングズ 貸出金利息(17年度 第3四半期)
647億円(前年同期比▲120億円)
住友信託銀行 単体ベースで貸出金108,369億円に対して貸出金利息1,003億円。


Q4.「日銀のゼロ金利のもとで、コストはほぼゼロ。それで儲けがでるのは庶民から収奪しているにひとしいのでは」という批判にどう説明されますか。
三菱UFJフィナンシャルグループ 預金や貸出の金利設定は、金融政策や預金保険料をはじめとするコストなどを総合的に判断して決定しております。新グループとしてはお客様本位の経営を徹底し、より良い商品・サービスをお客様にご提供することにより、お客様のご支持を得ていきたいと考えております。
三井住友フィナンシャルグループ N.A.
みずほフィナンシャルグループ 預金金利はマーケット水準で設定しており、個別銀行の努力には限界があります。ゼロ金利政策で預金金利は低い一方で、住宅ローンや企業の借入の金利も異例な低水準で、メリットを享受している個人や企業は多いものと思われます。

なお、みずほ銀行では
・クレジットカードと一体型の預金「みずほマイレージクラブ」で、クレジットカードの年会費無料、ATMの時間外手数料無料、振込み手数料の割引等のサービスを提供しております。
・キャッシュカードのICカード化や生体認証の導入(06年上期予定)などにより、安全性という形でメリット還元を行っております。 今後ともお客様にとってメリットのある商品・サービスを開始して参る所存です。

また、グループを挙げてCSRへの取組みを強化しており、社会貢献活動や環境問題への取組み等により、広く社会に貢献して参る所存です。2月15日発行したCSRレポートを、ホームページでご覧いただけますので、ご参照ください。
りそなホールディングズ 最大のコスト削減をすすめ、お客さまにご満足いただける商品・サービスの提供を通じた利益の還元を検討して参りたい。
三井トラスト・ホールディングズ 上記(Q3)の通り、実勢業務純益は前年同期比で減少しております。また、当社がご提供したサービス等に見合った適正な収入であると考えております。
住友信託銀行 営業活動を実施するにあたっては、企業体として一定のコストが生じており、また、ゼロ金利のもと、個人や法人のお客様への貸出金利の水準も大きく低下している状況です。投資信託等の各種運用商品の販売による収入や、信託銀行として実施している信託業務・不動産業務による収益が全体収益に寄与しています。


Q5.これだけ利益があがっているのですから、預金金利をあげたらどうですか。そうした考えはありますか。
三菱UFJフィナンシャルグループ 同上(Q4)
三井住友フィナンシャルグループ 定期預金金利につきましては、日々の市場金利動向と照らし合わせた上で期間に応じて決定しております。
みずほフィナンシャルグループ 前述の通り、預金金利はマーケット水準で決まるものであり、ゼロ金利政策下では預金金利の引き上げは困難です。
りそなホールディングズ 市場金利の動向などを参考にして総合的に判断した上で預金金利を決定しています。
三井トラスト・ホールディングズ 預金金利は市場実勢に応じて決定しており、今後の預金金利は市場実勢次第と考えております。
住友信託銀行 預金金利の引上げにつきましては、今後の金利動向も勘案しながら検討してまいります。また、新たな預金商品の開発等についても、検討してまいります。


Q6.手数料が高い、という不満が高まっています。どうお考えですか。下げる計画はありますか。
三菱UFJフィナンシャルグループ 手数料については、システムメンテナンスなどの所要経費等を総合的に勘案し決定しております。新グループとしてはお客様本位の経営を徹底し、より良い商品・サービスをお客様にご提供することにより、お客様のご支持を得ていきたいと考えております。
三井住友フィナンシャルグループ 各種手数料につきましては、サービス提供に最低限必要なコストを算出し総合的に判断した結果を手数料に反映させて頂いております。
みずほフィナンシャルグループ 前述のとおり(Q4)、「みずほマイレージクラブ」をご利用頂ければ、様々な手数料の減免が受けられます。
りそなホールディングズ 手数料については、一律ではございませんが、ご提供させていただくサービスの内容や事務負担等のコストを勘案し決めさせていただいており、これまでも適宜改定を行っております。
三井トラスト・ホールディングズ 料金に見合ったサービスを提供いたしているものと考えております。
住友信託銀行 手数料につきましては、取引にかかるコストを踏まえ適正な範囲で設定をさせていただいております。


Q7. 担保を取って貸すというビジネスモデルは変わっていないようです。審査力をあげ、担保に頼らない新規貸し出しに力を注いだらどうか、という批判がベンチャーには強いようです。これについてのお考えと、「担保に頼らない新しい方式」が貸し出しに占める割合を教えてください。
三菱UFJフィナンシャルグループ 無担保融資の商品として、「ビジネスローン『融活力』」「ビズウェイ」などがあります。今後もお客様の資金調達ニーズに応じて各種金融商品(1) (2)の開発に努めて参ります。
三菱東京UFJ銀行の平成17年12月末の中小企業向け無担保貸出残高は9,953億円です。
三井住友フィナンシャルグループ 2002/3より他行に先駆けて「原則無担保・第三者保証不要」の「ビジネスセレクトローン」の取り扱いを開始し、既に取組件数累計は約17万件、貸出額累計は約4.2兆円に上っております。尚、ご利用頂くお客様のうち、約3割は新規のお客様となっております。この「ビジネスセレクトローン」で培ったノウハウを最大限活用し、H17年4月からは年商30億円未満のお客様向けに「SMBCクレセルローン」の取り扱いを開始しております。
みずほフィナンシャルグループ 2005年9月末時点で、みずほ銀行の中小企業向け貸出約20兆円のうち、無担保のビジネスローンは約1兆2,000億円です。2004年9月の4,000億円から、この1年間で3倍にまで増加しております。引き続き中小企業向けの無担保貸出は強化して参る所存です。
りそなホールディングズ 個別案件ごとに総合的に判断させていただいております。引き続き、お客さまのニーズに応える商品開発をして参ります。

「よこはまベイシティファンド」の創設について (PDFファイル)
「関西大学産学連携推進ファンド」の取扱開始について (PDFファイル)
三井トラスト・ホールディングズ 17年4月より、中小企業向け融資である「ビジネスローン」の取り組みを開始し、事業性資金の無担保融資にも積極的に取り組んでおります。
住友信託銀行 担保や保証に過度に依存せず、個々の債務者や事業の実態を踏まえた貸出に注力しております。シンジケートローン、バイアウトファイナンス等の新たな形態の貸出にも積極的に取り組んでおります。
姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中