2024年 5月 10日 (金)

ビクター家庭向けテレビから撤退 デジタルビデオカメラなどに集中?

   日本ビクターが2008年夏をめどに、国内の家庭用テレビ事業から撤退する方針を固めた。音響・映像の老舗ともされるビクターが国内テレビ市場から退場を余儀なくされる背景には、薄型テレビを巡る開発・販売競争の激化がある。

薄型テレビ市場で黒字確保はシャープ、松下の2社

ビクターは家庭用テレビから撤退の方針を固めた
ビクターは家庭用テレビから撤退の方針を固めた

   ビクターは1927年に、「日本ビクター蓄音機」として設立。ブラウン管テレビでは業界をリードする存在で、技術力には定評があった。しかし、テレビの売り上げは年々減り、ブラウン管テレビに代わって2000年代前半から普及し始めた薄型テレビでも苦戦を強いられた。ビクターの薄型テレビの国内シェアでは6位だが、2007年の国内出荷台数のシェアはわずか2.9%に過ぎない。液晶テレビの新商品発売の遅れなどが響き、08年3月期連結決算では478億円の最終(当期)赤字に陥る見通しになっている。

   国内の薄型テレビ市場では、大手電機メーカーをはじめ約10社による過当競争が展開されている。価格の引き下げ競争は激しさを増しており、同事業で黒字を確保しているのはシャープ、松下電器産業のわずか2社だけに過ぎない。

   各メーカーは現在、液晶やプラズマテレビにとどまらず、高画質を実現する有機EL(エレクトロルミネッセンス)やSED(表面電界ディスプレー)などの次世代テレビの開発に力を入れている。ソフト開発に費やす巨額なコスト負担に耐えることができ、量を売る強力な販売力がなければ、メーカー の生き残りは難しいのが実情だ。

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