2024年 4月 26日 (金)

たった26分短縮に2600億円 九州新幹線・長崎「壮大なるムダ遣い」

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長崎―博多片道2500円が5000円程度に跳ね上がる

   ちなみに、運賃をみても特急「白いかもめ」を使った場合、長崎から博多へは片道2500円(4枚綴り乗車券)。「若者の利用が多い」という高速バスは片道2000円(4枚綴り、所要時間は2時間強)。これが新幹線を使うと、片道5000円程度に跳ね上がると試算する。  新幹線建設中止の県民の会・中里事務局長は、「新幹線のコースはトンネルと高架ばかり。観光のための新幹線というのに、これでは観光客もありがたくないでしょう」と、計画見直しを求めて声を嗄らす。

   長崎ルートは07年12月、JR九州が新幹線と在来線との「経営分離」を行わないことを条件に、沿線自治体の同意なしに建設できるようになったことで、一気に動き出した。佐賀県議の太田記代子氏は「佐賀、長崎、JR九州の、あの骨抜き合意がなければ、こんなには急転しなかったでしょう」と証言。「長崎県にはいま決めなければ、永久に新幹線は来ないという危機感があったというが、急ぐ理由がわからないし、最近の古川(佐賀県)知事の豹変ぶりには驚かされる」と話す。

   沿線自治体を揺さぶり、結果的に「骨抜き」にしたのは各自治体の財政状況にある。太田議員は、「県は新幹線建設に賛成する自治体には景気振興策としての予算をつけたり、反対派にはいままであった予算を取り上げてしまったり、予算を武器に一つひとつ籠絡。そうやって切り崩し、最後までウンと言わなかった鹿島市と江北町をはずしてしまった」と、あまりにえげつないやり方に憤る。

   受け入れた自治体側にも、「国策でついた2600億円が地域に投下されるので、長崎、佐賀の両県にとってはわずかな予算で地元が潤うという目算がある。どの自治体も予算不足なので、国の予算で仕事がまわってくるのであれば、そうしたいという思いは強い」(中里事務局長)とみている。

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