2024年 4月 27日 (土)

「海上保安官守れ」と嘆願の動き 守秘義務違反で起訴できるのか

略式起訴・罰金刑で失職なしの可能性

   海上保安官の場合、国会議員への公開内容が報じられており、中国人船長はすでに釈放されて証拠価値が薄れていることなどから、ビデオ投稿の違法性に疑問が出ているのだ。

   日本大学の板倉宏名誉教授(刑法)は、今回のことについては、専門家の間でも見解が分かれており、相当難しい問題だと考えていることを明らかにした。

「国会議員に公開し、議員がマスコミに説明しており、ビデオはもう保護する必要はなくなったとの見方もできます。保安官は沖縄ではなく神戸におり、国会公務員法の『職務上知りえた』情報になるのかについても、問題になる可能性があるでしょう。公益に当たるときは、罪に問えないという考え方もできます」

   そのうえで、板倉氏は、当局が保安官の逮捕や起訴に乗り出さざるをえないかもしれないと言う。

「ビデオ流出で分かった衝突の具体的な内容まで、一般に知られているとは言えません。当局は、外に出すと様々な影響をもたらすとして、秘密にしたいと考えられます。海保が被疑者を刑事告発しており、ビデオを保護する必要がなくなったとは言いにくいのでしょうからね。起訴猶予処分ということも考えられますが、これだけ表立った問題になると刑事責任を無視できないでしょう」

   具体的には、国家公務員法違反の罪なら、検察が保安官を略式起訴し、50万円以下の罰金刑になる可能性を挙げている。

   ただし、公務員の場合、執行猶予付きでも懲役刑になると失職するものの、罰金刑なら失職はないという。

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