2024年 4月 26日 (金)

レバレッジ400倍、500倍OK 規制強化嫌い海外FXが人気?

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   投資家保護のため、2010年8月に導入された証拠金倍率(レバレッジ)を50倍以下にする規制を嫌って、海外でFX取引したいと考える個人投資家が増えているようだ。海外には400倍、500倍といった高倍率を提示するFX業者もいて、これを売り物にしている。

   「かんたん海外FX」「はじめよう海外FX」などと個人投資家に呼びかける口座開設サポートサービスも登場。しかし、金融商品の国内での勧誘には金融商品取引法に基づく登録が必要で、違法な業者も多く、金融庁は困惑している。

「無登録の違法業者がいる可能性があります」

   金融庁は、「インターネットで海外FXのホームページを運営している媒介業者(サービス業者)や、そこに名前がある海外のFX業者の中には、無登録の違法業者がいる可能性があります」(証券課)と指摘する。

   海外FXの「媒介業者」は2009年夏ごろから増えていて、実際の利用者も増えているらしい。

   ただ、海外FXの利用実態は金融庁も把握しておらず、グーグルやヤフーなどを検索しては媒介業者のサイトをあたり、無登録の場合は直ちに登録するよう促している。

   しかし、その後ホームページが削除されたり、別の業者名でサービスを継続していたり、といった例もあり、業者との「いたちごっこ」が続く。

   その一方で、違法業者と知りながら、サービスを利用する投資家もいる。国民生活センターには、「海外口座にお金を振り込んだのに、その後、返金がない」といった相談が寄せられるようになってきた。

11年8月には25倍以下になり不満くすぶる

   100倍、200倍といったレバレッジを効かせた取引は、少ない投資金額で大きく儲けることができるFX取引の醍醐味ともいえる。もちろん、レバレッジ倍率が高いほど、損失も大きい。

   国内のレバレッジ規制は、2010年8月に50倍以下に、さらに11年8月には25倍以下に強化される。あるFX業者は、「必ずしも規制の影響とは言えないが、8月以降は相場動向のわりには(取引が)さえない」とこぼす。

   取引を繰り返すデイトレーダーや投資経験が豊富な個人投資家は、レバレッジ規制は「行き過ぎ」と感じ、不満がくすぶっている。

   そうした中で、個人投資家が日本の規制に縛られずに高倍率で取引できる海外のFX業者に興味をもち、両者を取り持つ「海外FX口座開設サポートサービス」に関心を寄せるのは、むしろ自然だろう。

   「媒介業者」やFX業者はともに、英国やシンガポール、香港などに拠点を置き、インターネットに日本語サイトを開設して、海外口座の申し込みを受け付けている。問い合わせの受け付けなどもほとんどが電子メールでの対応だ。

   海外のFX業者の中には、400倍、500倍といった高倍率を提示する例もある。業者側も「レバレッジ規制がない」ことを売り物にしているほか、キャッシュバックキャンペーンなど、国内のFX業者と変わらないサービスやサポート体制を謳って投資家を呼び込んでいる。

   半面、海外のFX業者との取引によって、国内のレバレッジ規制はまったくの「しり抜け」になる。国内のFX業者からは「投資家に脱法行為を促すようなもの」との批判もある。

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