2024年 4月 27日 (土)

橋下府知事「新規原発NO」 ほかの知事はどう出るのか

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   大阪府の橋下徹知事が、原子力発電所の新規建設や老朽原発の運転延長計画を「止めにかかる」と発言した。福島第1原発事故を受けたもので、ほかの知事らにも賛同を呼びかけた。一方、統一地方選で原子力産業との共存共栄路線を踏襲して当選した現職知事もいる。橋下知事の訴えは、どこまで浸透するのだろうか。

   橋下知事は2011年4月28日、大阪市で開かれた関西広域連合委員会の会合の前、参加知事らに原発の新規建設や運転延長、後継機建設の計画を止めるための方策作りを提案した。

関西圏の知事たちは「時期尚早」が多い

   4月28日の非公式な会合では、橋下知事の「新規原発認めず」などの提案については、「時期尚早」という意見が多かったという。まずはサマータイム導入の是非などエネルギー政策全般の見直しから検証すべきだとの指摘も出て、原発関連提案はこの日の正式な議題にはならなかった。橋下知事は当面、大阪府単独で方策を検討するとみられる。

   前日の4月27日、原発について同様の考えを記者団に表明していた。「原発悪玉論ではない」「単純に自然エネルギーで代替できるわけではない」とした上で、「まずは原発1基を止めるには何をするべきか」と節電強化の重要性も訴えていた。

   橋下知事の27日の発言については、毎日新聞(ネット版)が、「橋下・大阪府知事:『脱原発目指す』」などの見出しで、「事実上の『脱原発』を目指す考えを明らかにした」と報じた。一方、他社の記事では「脱原発」という表現は出てこないものも少なくなかった。橋下発言は、稼働中の原発については「少なくとも当面は容認」と読めるからか、受け止め方には温度差があったようだ。

   原発に関する知事らの発言をめぐっては、例えば4月25日、石原慎太郎・東京都知事が、「脱原発」を訴えた保坂展人・元社民党衆院議員が世田谷区長選で初当選したことについて、「今の日本経済を支える電力の供給は(原発抜きには)できっこない」と批判、原発を容認する考えを示している。

奈良県知事「原発むやみに増やしていいものじゃない」

   統一地方選の前半戦、原発をかかえる4道県の知事選ではすべて、原発を容認してきた現職が当選した。新顔候補らが脱原発を訴える中、「万全の安全対策」や「見直し」を強調することで乗り切った形だ。たとえば、国内最多の14基の原発がある福井県の西川一誠知事は、従来通りの原子力産業との共存共栄路線を掲げ3選を果たした。こうした背景には、原発関連の交付金の存在があると指摘する声もある。

   一方、すでに橋下知事と似た考えを示している知事もいる。浜岡原発をかかえる静岡県の川勝平太知事は4月22日、静岡新聞の取材に対し、安全対策に懸念があるとして「(浜岡原発)6号機の新設は認められない」と述べた。ただ、「国民は原発と共存するしかなく、不信の連鎖は避けたい」とも指摘しており、原発の存在には一定の理解を示している形だ。25日にも「現状での新設は難しい」と話している。

   また、4月28日の会見で、奈良県の荒井正吾知事は「原発はむやみに増やしていいものじゃない」との考えを示した。27日の橋下発言に呼応する発言にも聞こえる。奈良県は関西広域連合には入っていない。

   関西電力の八木誠社長は4月27日の会見で、橋下発言について、発言の趣旨を確認した上で対応したいとの考えを示した上で、「より一層の信頼性向上に資する対策を実行していく」と理解を求めた。

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