100年前の名人の姿―仏博物館所蔵の能楽映像、現存最古と判明

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   早稲田大学演劇博物館は、仏アルベール・カーン博物館に所蔵されていた5種類のフィルムが、100年前の1912年(大正元年)10月30日に京都・仏光寺で撮影された、能楽を記録した現存最古の映像だと確認したと発表した。これまで最も古いと考えられてきたのは1932年の映像で、これより20年さかのぼることとなった。

   映像は当時のフランスの大富豪、アルベール・カーンが世界中の文物を記録するため派遣した撮影隊によるもので、「橋弁慶」「隅田川」「小鍛冶」「望月」「羽衣」の5曲について、各作品の見せ場がそれぞれ数分間収められている。

   児玉竜一・早大教授によると、映像はカーン博物館のコレクションの一つとして、2008年にもNHKで一部が放映されるなどしていたが、演者・撮影日などが特定されていなかった。今年2月に児玉教授らがカーン博物館に赴き、映像のダビングを持ち帰り、仏光寺の日誌などとあわせて調査したところ、当時の京都を代表する名手、金剛流の金剛謹之輔(1854~1923)を捉えた映像であることが確認できた。また美人として有名だった、吉川一子による井上流の京舞の映像も3本見つかったという。

   来年1月に演劇博物館の国際シンポジウムで公開される予定で、児玉教授は「当時の能の演技・演出を考える上で大変貴重。今後はフィルムの正確なスピード、また共演者の特定などが課題となる」と話した。

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