伊藤博文暗殺の安重根が「準聖人」になるのか 韓国カトリック教会が「福者」に推薦

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   初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した民族活動家の安重根(アン・ジュングン)に対して、韓国のカトリック教会が「聖人」に準ずる「福者」に認定しようという動きを始めている。

   韓国では「民族の英雄」とされるものの、日本では「テロリスト」と受け止める向きが多く、今後波紋を広げそうだ。

暗殺は「正当防衛であり、義挙」と韓国の枢機卿

   安は1879年に現在の北朝鮮・海州(ヘジュ)で生まれ、1909年に中国・ハルビンで伊藤博文を暗殺。その場で逮捕され、翌1910年に処刑された。安は1895年に洗礼を受けてカトリック信者になり、「トマス」という洗礼名も持っていた。ただし、伊藤の暗殺が殺人を禁じたカトリックの教義に反するとして、安は長い間カトリック信者だとは認められてこなかった。だが、1993年になって復権が認められている。聯合ニュースによると、復権当時、韓国人としては初めて枢機卿になった故・金寿煥氏は、安の行動を「正当防衛であり、義挙とみなすのが正当」などと暗殺を正当化したという。

   それから20年近くたって、さらにその動きが加速しつつあるようだ。韓国メディアが2011年10月31日の報じたところによると、安を「聖人」に準じる「福者」に推薦しようという動きが進んでいる。なお、カトリック教会が正式に福者として認めることを「列福」という。

   現時点では、韓国のカトリック教会のソウル大教区の「列福列聖準備委員会」が安を含む551人を列福推進対象者に選び、その上部組織にあたる韓国カトリック司教協議会の列福列聖司教特別委員会に名簿を提出。その内訳は、近現代の「信仰の証人」24人と、朝鮮王朝統治下の殉教者527人。

   これら527人の推薦理由は「殉教者として卓越した信仰の模範を示した」というもので、推薦理由を示すための写真、手紙などの資料や、証言を収集しているという。

手続きは簡単ではない

   だが、これまでの列福の経緯を見ると、実際に列福されるまでのハードルは非常に高い。韓国の教会だけで列聖を決めることはできず、バチカンのローマ教皇庁に資料を送った上で、ローマ教皇庁が2度目の審査を行う。また、列福される人は、殉教者以外は最低1つの「奇跡」(超自然現象)を起こしている必要があり、調査には大変な時間がかかるとされる。

   最近のケースでは、97年9月に死去したマザー・テレサは03年10月に、05年4月に死去したヨハネ・パウロ2世が11年5月に、それぞれ列福されているが、これは異例中の異例。数百年がかりになることも珍しくない。

   例えば、日本人で最も最近に列福されたのは、08年のペトロ岐部ら188人。この188人はいずれも徳川幕府の禁教令による殉教で、1600年代前半のことだった。

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