金正男氏の「世襲批判」をスクープ 東京新聞「特ダネ」記者の仕事ぶり

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   北朝鮮の故金正日(ジョンイル)総書記の長男、正男(ジョンナム)氏(40)から届いた「世襲批判」メール内容を東京新聞が特報した。中央日報などの韓国メディアも「東京新聞が報じた」として記事を追いかけている。

   東京新聞は、1年前にも正男氏の単独インタビューをものにしたことがある。なぜ「特ダネ」を連発することができるのだろうか。

1年前には単独インタビューも

金正日総書記の葬列(2011年12月放送の朝鮮中央テレビより)。
金正日総書記の葬列(2011年12月放送の朝鮮中央テレビより)。

   東京新聞は2012年1月12日、正男氏から同紙記者に届いたメール内容を報じた。3日付のメールでは「正常な思考を持っているなら、三代世襲を容認するのは難しい」などと書いてあった。

   2011年12月に正日総書記の死去が伝えられて以降、「正男氏は(略)姿が確認されていない」(12年1月10日、朝日新聞ネット版)状態だった。

   総書記の後継指導者には、3男の正恩(ジョンウン)氏が就いており、インターネット上では、権力闘争の可能性を指摘して正男氏の安否を気遣う声も出ていた。

   正男氏から年明けにメールを受け取ったのは、東京新聞編集委員の五味洋治氏だ。11年1月末に掲載した正男氏との中国での単独インタビューを実現したのも五味氏だ。

   五味氏は、韓国への語学留学やソウル、北京での勤務経験がある「朝鮮半島が専門」のベテラン記者だ。「コリア問題の専門サイト」現代コリアでの連載も担当している。

中国のバーで酒を酌み交わしたこともある

   「現代コリア」の佐藤勝巳主筆に五味氏の人物像を聞いてみた。

「彼みたいに(金)ファミリーの1人、正男氏に食い込んだ記者は他にいない。といっても、『特ダネを取るぞ』とギラギラした人ではなく、物静かなタイプですよ」

   五味氏本人とも連絡を取ることができた。正男氏との出会いは偶然で、途中中断した時期もあったが、これまでに延べ約150通のメールを互いにやりとりしているそうだ。単独インタビューをしただけでなく、中国のバーで酒を酌み交わしたこともある。

   「金正男さんですか?」「そうです」。2004年9月、北京の空港で日本人取材陣数人と正男氏とそっくりな男性との間で、韓国・朝鮮語を使ってこんなやりとりがあった。日本取材陣は、日朝実務者協議の取材の関係で空港にいて、男性を見かけて声をかけたのだ。この「数人」の中に五味氏もいた。

   その場で記者らは名刺をこの男性に渡すと、数か月後に男性からあいさつ程度のメール(表記はハングル)が各記者に届いた。当時、「正男氏を名乗る人物」という表現で、空港でのやりとりやメールの件を朝日新聞などが報じた。この男性の映像を専門家に見せて「ほくろの位置などから正男氏に間違いない」といった見解も報道された。

   その後、五味氏と正男氏とのハングルのメールでのやりとりは、数年間も「音沙汰なし」が続いたり、「3日に1度」のペースで頻繁になったりして続いた。「数人の記者」と横並びで始まった正男氏とのメールのやりとりが、なぜ五味氏だけ「深化」していったのだろうか。

五味編集委員「(正男氏は)礼儀正しく、面白い」

   こうしたメールのやりとりの経緯や2011年の単独インタビューの詳細などを本にまとめ、五味氏は「父・金正日と私 金正男独占告白」(文藝春秋社)を12年1月20日に出す。しかし、本の出版の時期を巡って、実は正男氏と折り合いがつかず、ここ最近では「メールの返事がこない」状況になっている。怒ってしまったのだろうか。

   正男氏自身の考えをいずれ公にすることについては、むしろ正男氏が望んでいることだと五味氏は説明する。しかし、正男氏は「今は微妙な時期だ」として、出版はまだ待ってほしいと伝えてきた。

   それでも五味氏は、北朝鮮関係者として正男氏のような「評価されるべき」人物がいるのだ、ということを今こそ広く知ってもらうべきだと考え、出版に踏み切った。正男氏は、冷静に「3代世襲」の影響を分析するなど「一般的な『遊び人』といったイメージとは異なり、責任感が強く、礼儀正しく、面白い」人物なのだという。

   著書で公開するメールでは、正男氏が訪日した際の様子や父、正日総書記の印象なども描写されている。

   正男氏は2010年10月に北京でテレビ朝日のインタビューに応じるなどしていたが、11年1月の東京新聞インタビュー以降は、対外的な発言を控えていた。11年12月の総書記死去で北朝鮮が大きな転機を迎える中、正男氏が04年から12年初頭にかけ、どんな「肉声」を発していたかには注目が集まりそうだ。

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