発掘調査中の足場が命を救った 餓鬼堂横穴群【福島・いわき発】

印刷
news_p122541_1.jpg

   平・薄磯地区は3・11の大津波で壊滅的な被害を受けた。死者・行方不明者も126人と、いわきで一番多い。その海岸の北端、字北ノ作の海食崖に「餓鬼堂横穴群」(=写真)がある。近くには小さなやしろの「安波(あんば)大杉神社」も鎮座する。やしろは無事だった。


   いわきの浜は、崖と砂浜が連続している。「いわき七浜」はそういう地形的な特色を伝える呼び名で、浜がたくさん(七つ以上)あることを意味する。


   「餓鬼堂横穴群」は今も発掘調査の過程にあって、3・11のときには6次調査が終わったばかりだった。第7次の平成23年度も12月5日から今年の1月18日まで調査が行われた。その発掘速報展がいわき市考古資料館で開かれている。


   これまでに調べた横穴は31基で、(1)鉄製武具や馬具・工具、勾玉(まがたま)・ガラス製小玉などの副葬品(2)土器・人骨(3)家形構造を持つ装飾横穴――などが発見された。


   この崖では県営の治山事業が行われている。調査は記録保存が目的だ。調査が終わったところから型枠をつないだ防壁工事が行われる。


   3・11のときに「横穴に駆け上がって助かった人がいる」という話を聞いた。あの急斜面を? 事情をよく知る薄磯の人が教えてくれた。


   3・11にはまだ発掘調査のための仮設階段・足場が残っていたらしい。そこへ孫を抱えた男性が駆け上がった。津波が押し寄せた。人が流されていく。右腕に孫を抱え、左手は手すりを握っているので、助けようにも助けられなかった――そういう話だった。


   とっさの判断が生死を分けた。これからぽっかり穴のあいた崖を眺めるたびに、そのことを思い起こすのだろう。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
■ブログ http://iwakiland.blogspot.com/

インヴァスト証券

   振り返れば、2016年の外国為替相場は6月のEU残留か離脱かを決める英国民投票や、11月の米大統領選など大荒れ。外国為替証拠金(FX)取引で大きな損失を出した投資家も多かった。FXは、専門家ですら為替相場を見誤ることがある、ハイリスク・ハイリターンの投資商品だ。いま、そんなFXでも、初心者がはじめやすいと評判なのが......続きを読む

PR 2016/12/19

日産

   購入者の約8割が「e-POWER」 いったいなぜ? 続きを読む

PR 2016/12/26

  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter

このエントリーはコメント・口コミ受付を終了しました。

注目情報

向田邦子、阿久悠、秋元康の作品から、現代の女性像を紐解く。

「女性と文化」WEB公開講座
追悼
Slownetのおすすめ記事(提携)
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中