2024年 4月 27日 (土)

床這って赤外線センサーかわす? セコム社員が契約先店で窃盗

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   京都府の飲食店で窃盗事件が発生した。容疑者として逮捕されたのは、防犯用に店内に設置されていた「赤外線センサー」の事情を熟知した警備会社の社員だったと報じられた。

   センサーに感知されないように移動し現金を盗み出したが、設置されていた監視カメラには気付かずに「御用」となったようだ。

「赤外線センサー」は市販もされている

   窃盗の容疑で逮捕と報じられたのは、警備会社大手セコムの社員だ。京都市内の飲食店の入り口を壊して侵入、レジから現金約21万円を盗んだ疑いがあると伝えられた。容疑者は店内の防犯用赤外線センサーから逃れるため、床をはって進んだという。その姿は店内に取り付けられた監視カメラにとらえられており、店側が警察と、警備を委託していたセコムに通報し逮捕に至った。

   セコムは2012年5月28日にコメントを発表。社員逮捕の報について謝罪する一方、「現段階では捜査中であり、詳細を把握できておりません」と述べるにとどまった。「警備会社の社員が、契約している店に盗みに入った」では、会社の信用に大きく傷を付けることになろう。

   セコムのウェブサイトでは、法人向けのセキュリティーシステムが複数紹介されている。しかしセコム広報に取材すると、実際は顧客によってどのような防犯態勢を望んでいるのか千差万別であり、その要望に応じてセコム側が数多くあるセキュリティーシステムを提案、そのうえで使用するセンサーについても決めるのだと話す。具体的にどのようなセンサーがあり、どんな仕組みになっているかを問うと、「防犯に関する事柄なので、詳しく説明することはできません」と、その種類も含めて回答を避けた。

   一方、赤外線センサーは防犯グッズとして市販もされている。赤外線は肉眼で見えず、まっすぐ照射される性質があるため、自宅や店の中が無人の際にセンサーを作動させておき、何かが赤外線をさえぎればそれが侵入者という可能性がある。市販のセンサーは、赤外線がヒトやモノを感知するとアラームが鳴って知らせるタイプで値段も数千円で手に入るものが多い半面、警報が聞こえる範囲にいないと異常発生を知ることができない。警備会社のシステムの場合は24時間態勢で監視され、異常を探知すると会社側にオンラインで知らせが届き、必要に応じて警察への通報も行う。

10本の赤外線、「広角対応」センサーも

   今回窃盗の被害に見舞われた飲食店が、具体的にどのような赤外線センサーの仕組みをセコムに委託していたかは分からない。ひと口に赤外線センサーといってもさまざまなタイプがあると、防犯設備に詳しい団体の担当者は話す。最近では、赤外線を同時に10本程度放射させたり、感知できる範囲が180度と広角に対応したりする装置もあるそうだ。網目のようにセンサーが張り巡らされていれば、侵入も容易ではないだろう。

   セコムが、個人が手軽に買えるような赤外線センサーだけでまかなおうとしていたとは考えにくい。逆に、「複雑」な防犯態勢を理解していたからこそ、容疑者がセンサーをかいくぐることができたのだろうか。

   今回は、店に設置されていた監視カメラに容疑者の姿が映っていたため、犯行が明るみに出たという。一部報道では、カメラは店側が独自に付けていたともあり、複数の装置を組み合わせて防犯にあたっていたのは幸いだったが、警備会社の社員まで疑わざるをえないとなるとどこまで防犯を強化すればよいのか、判断が難しい。

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