中東でSARSに似た新型ウィルス 「メッカの巡礼」で感染拡大懸念

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   2003年に猛威をふるい数百人の死者を出した重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た症状を引きおこす新型のウィルスが中東で見つかり、世界保健機構(WHO、ジュネーブ)が注意を呼びかけている。

感染者をドーハからロンドンに移送

   WHOが2012年9月23日に発表したところによると、現在感染が確認されているのはカタール国籍の49歳の男性と、6か月前に死亡したサウジアラビア国籍の60歳(当時)の男性の2人。

   カタール国籍の男性は9月3日に発症、7日にドーハの病院の集中治療室に入院したが、11日に救急飛行機でイギリスへ移送され、現在ロンドンで集中治療を受けている。男性は発症以前に、サウジアラビアへの渡航歴が確認されている。

   2人に腎不全やSARSに似た症状などが共通して見られたことから、イギリスの研究機関は両者のウィルスの比較をおこない、新型コロナウィルスと同定した。

   コロナウィルスには、風邪やSARSの症状を引きおこすウィルスが属する。通常くしゃみや咳の飛まつを介して感染するが、現在のところ新型ウィルスに人から人への感染があるかはわかっていない。新型のためワクチンはなく、もっぱら対症療法や隔離などがおこなわれている。

   渡航医学にくわしい関西福祉大学の勝田吉彰教授によると、世界中からムスリムがサウジアラビアのメッカに集う「大巡礼」の時期(2012年は10月24日から29日)が近いこともあり、「感染拡大が懸念される」という。なお、WHOは現在、渡航自粛などの勧告はしていない。

   SARSは2002年から2003年にかけて中国を中心に猛威をふるい、世界で約800人が死亡した。

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