地図のゼンリン、一転赤字 急ブレーキの原因はカーナビ凋落

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   地図情報大手のゼンリンが、2013年9月中間期の連結業績予想を下方修正し、純損益が2億円の赤字に陥る見通しになった。中間期に純損益が赤字に転落するのは9年ぶり。

   12年9月中間期は、売上高が前年同期比13.7%増の258億円、経常利益は4.5倍の27億円、純利益は4.8倍の11億円を超える増収増益と、まさに上昇気流に乗っていた。それがわずか1年で暗転。急ブレーキの原因はなんなのか――。

カーナビは「スマホ」で!

カーナビ凋落で、地図のゼンリンも赤字に転落(画像は、ゼンリンのホームページ)
カーナビ凋落で、地図のゼンリンも赤字に転落(画像は、ゼンリンのホームページ)

   ゼンリンが2013年10月22日に発表した9月中間期(4~9月)の連結業績予想によると、売上高は前回予想(5月時点)の252億円を4.7%下回る240億1000万円、営業損益は8億円の黒字から4000万円の黒字(95%減)に激減。純損益は2億円の黒字予想から一転、2億5000万円の赤字に転落する見通しだ。

   同社はその原因を、カーナビゲーション用に地図データを提供する事業の売り上げの減少が響いた、と説明している。

   半面、地図データについては12年来のスマホを中心としたモバイル向けの好調が続いている。好調なスマホ向けがカーナビ向けを「食っている」のは皮肉だが、通期の業績予想は売上高560億円、純利益25億円のまま据え置いた。

   赤字の原因となったカーナビ事業は、国内の新車市場が少なからず影響している。低燃費で維持費が安い軽自動車が売れているが、それにつれてカーナビも低価格の製品に人気が集中。売れ筋は「ポータブル・ナビ」といわれる、3万円弱~5万円しない価格帯の商品だ。低価格のカーナビでは、提供する地図データの利用料も安くなってしまい、売り上げも減る。

   また、カーナビをつけないドライバーも増えている。最近ではスマートフォンがカーナビに取って代わろうとしている。画面も小さく操作性も悪いので、まだまだカーナビ専用機のほうが完成度は高いが、慣れれば「スマホ・ナビ」で十分どこでも行けるようになるし、最大の利点は地図更新におカネや手間がかからずに最新の地図が使えることだろう。

   すでにホンダは自社ユーザー向けにスマホ用アプリ「Drive Locator」にナビ機能を付与し、サービスを提供。こうした影響を受けているとみられる。

地図情報ビジネス、グーグルやヤフーは無視できない?

   国内でのカーナビ事業の伸び悩みもあって、ゼンリンは海外事業を加速している。関連会社のゼンリンデータコムは東南アジアで利用可能なスマホ向けナビゲーションアプリを開発。まずはインドネシア限定で投入し、2014年1月には東南アジア各国で使えるように情報を更新する予定。

   ゼンリンは2013年4月にインド支店を開設。6月にはシンガポールの企業向け地図情報会社を買収した。同社の地図データを、東南アジアやインドでのビジネスに生かしていく。

   とはいえ、なにしろスマホがカーナビの「代用」として使われる時代だ。IT企業との関係は無視できない。ゼンリンは、グーグルやヤフーなどに地図データを提供している。

   一方、グーグルは13年6月、カーナビ向けアプリで経路探索や事故・渋滞情報を提供する技術をもつイスラエルの新興企業を買収。地図情報ビジネスでの優位性をさらに強め、さまざまな展開を図ろうとしている。

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