カキ料理で漁業復興【岩手・大槌町から】(21)

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立地協定書に調印したヒューマンウェブの吉田琇則社長(右)と碇川豊大槌町長(左)=2013年10月9日、大槌町役場
立地協定書に調印したヒューマンウェブの吉田琇則社長(右)と碇川豊大槌町長(左)
=2013年10月9日、大槌町役場

   復興が思うように進まず、焦燥感が募る大槌町で、久しぶりに明るい話題が続いた。カキ料理を提供する「オイスターバー」を全国展開するヒューマンウェブの進出が決まり、三陸沿岸の海洋環境を調査する学術研究船「新青丸」(しんせいまる)の母港になった。漁業の復興に向けて二つの拠点が大槌町にできることになる。


   東京都中央区のヒューマンウェブと大槌町は10月9日、立地協定書を交わした。「大槌 牡蠣(かき)ノ星」プロジェクトとして、加工場とレストランを併設した複合施設を建設し、2015年度内の稼働をめざす。業界最大手の進出で、カキの加工、販売の一大拠点になることが期待されている。

   ヒューマンウェブは2000年に設立された。東京、大阪、名古屋、横浜などにオイスターバーを23店舗持っている。2006年から2007年にかけて流行したノロウイルスで大きな打撃を受けたため、全国の産地から集めたカキを、広島県呉市に造ったカキの浄化殺菌施設を通し、ほぼ無菌にして出荷している。ろ過し、紫外線で殺菌した海水に36~48時間浸し、浄化させ、安全性を確保するシステム。取扱量は年間、600万個で、直営店では、生ガキのほか、カキフライなどに加工し、提供している。


   「大槌 牡蠣ノ星」プロジェクトは、大槌に、広島よりも規模が大きく最新鋭の施設を造り、東日本の拠点にする計画だ。「産業」「雇用」「集い」をキーワードに、100~150席のレストラン&カフェ、カキ浄化殺菌施設と加工場、子どもたちが遊べる広場などからなる複合施設をめざす。従業員34人は、全員、地元から雇用する方針で、県外からも客を呼び寄せ、年間売上高は約10億円を見込んでいる。

   ヒューマンウェブの大槌進出には、ノロウイルスで客が激減し、倒産の危機にあった時に、大槌産のカキに救われたという経緯がある。盛岡市出身の社長の吉田琇則(ひでのり)さんは「カキの代金の支払いを待ってもらって助けられた。恩返しをしたいと思っていた。『大槌 牡蠣の星』を日本一のブランドにしたい」と抱負を語っている。

「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされる蓬莱島の脇を航行する新青丸=2013年10月4日、大槌湾
「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされる蓬莱島の脇を航行する新青丸
=2013年10月4日、大槌湾

   「新青丸」は、震災で激変した三陸沿岸の生態系を調査するために建造された。科学技術の粋を凝らした最新鋭の学術研究船で、10月4日、母港の大槌漁港でお披露目された。

   新青丸は独立行政法人海洋研究開発機構が、老朽化に伴って退役した淡青丸の後継船として建造した。震災後の三陸沿岸の海洋環境を研究する文科省の東北マリンサイエンス拠点形成事業推進の役割を担う。


   全長66メートル、幅13メートル、1,629トン、航海速力13.2ノットで、建造費は約110億円。360度回転できる自動定点保持装置や、音波を使って海底の地形を測定する装置がある。さらに、遠隔操作で海底の様子を撮影し、地質調査のためのサンプルを採取する無人探査機を搭載できる。

新青丸の船体には母港の「大槌」の名が記されている
新青丸の船体には母港の「大槌」の名が記されている

   東北マリンサイエンス拠点形成事業は、東北大が代表機関、東京大大気海洋研究所と海洋研究開発機構が副代表機関。お披露目の式展では、海洋研究開発機構の平朝彦理事長が「変化した生態系を理解して、漁業復興のお役にたちたい。末長く愛されることを願う」とあいさつした。

(大槌町総合政策課・但木汎)


連載【岩手・大槌町から】
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