日中閣僚会談、約5か月ぶり実現の裏事情 中国の狙いはTPPけん制

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   2013年末の安倍晋三首相の靖国神社参拝以降、途絶えていた日中両国の閣僚による会談が約5か月ぶりに実現した。2014年5月17~18日に中国・青島で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合で、茂木敏充経済産業相と中国の高虎城商務相が休憩時間を利用して約20分間、経済問題を中心に話し合ったのだ。

   だが「日中関係好転の兆し?」と期待するのは早とちりのようだ。中国の狙いは、米国主導で協議が加速する環太平洋経済連携協定(TPP)をけん制するため、APECメンバーでもあるTPP交渉参加12か国の閣僚に直接釘を刺すことにあったからだ。

尖閣問題は短時間

   会談では高商務相が冒頭、尖閣諸島などの問題を取り上げ「(日中関係悪化の)責任は中国側にない」と日本の善処を求めた。お決まりのフレーズだったが、日本政府関係者によるとそのやりとりは1~2分程度。むしろ中国の関心は、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の実現に向け交渉を加速する必要があるという認識を共有することだったという。

   RCEPの交渉には、中国、日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が加わっている。だが、日中、日韓関係の冷え込みで交渉は事実上停止しており、打開のためには「日中両国の協力関係が欠かせない」(高商務相)というわけだ。

   そもそも、今年のAPEC貿易相会合は、加盟21か国・地域を経済統合する「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」の早期実現に向けた道筋を示すのが大きな目的。今年の議長国は中国で、18日に発表された閣僚声明は、実現に向けた工程表を年内に作成することを盛り込んだ。

   だが、今年は同会合直後の19、20日に米国が主導するTPP交渉参加12カ国による大詰めの閣僚会合がシンガポールで開かれることが決まっており、12か国の閣僚にとって青島は、さながらシンガポールの前哨戦になった格好だ。

   17日午前に現地入りした茂木経産相は、米通商代表部(USTR)のフロマン代表と会場のホテルで顔を合わせた際、「シンガポールでは(TPP担当大臣の)甘利明さんが十分に睡眠をとって臨むのでよろしく」と声をかけ、4月のTPP日米協議で徹夜のタフネゴシエーターぶりを発揮したフロマン氏にジャブを繰り出す一幕も。フロマン氏も全体会合の開始直前に会場を歩き回って12か国の全閣僚に「久しぶりですね」とあいさつして回り、その後も複数国と個別に会談を重ねるなど、シンガポールをにらんだ動きが目立った。

「切り崩し」に躍起

   こうしたTPP関係国の牽制に余念がなかったのが中国だ。高商務相は、今回の会合でカナダ、メキシコ、ペルー、マレーシア、ブルネイの貿易相と相次ぎ会談し「地域の経済統合は開放的で透明性を持つべきだ」と暗にTPPを批判。TPPを主導するフロマン氏の眼前で陣営の「切り崩し」に努めた。高商務相は開幕前日の16日にもTPPへの参加を検討する韓国の尹相直(ユン・サンジク)産業通商資源相と会談し、中韓自由貿易協定(FTA)の早期締結への期待を表明した。

   貿易や投資で高いレベルのルール作りを目指すTPPを、自国に対する「包囲網」と警戒する中国にとっては、米国が加わっていないRCEPの方が自国に有利な貿易の枠組みを作れると考えていることは間違いないのだ。

   今回実現した日中閣僚会談について、詳細な内容は公表されていない。だが、「中国にとっては『TPP切り崩し』の一環ととらえる方が自然」というのが複数の日本政府関係者の受け止め方だ。

   日本にとっても対中関係の改善が待ったなし。難航するTPPを加速する姿勢を貫くことは、中国の対日姿勢に変化を迫る有力な外交カードになると見た方がよさそうだ。

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