政府訪朝団同行のTBSを呼びつけて取材妨害 何が北朝鮮当局を怒らせたのか

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   拉致被害者らの再調査の状況を確認するための政府訪朝団に同行していたTBSの記者が、協議2日目にあたる2014年10月29日朝、事情聴取を名目に北朝鮮に呼び出された。北朝鮮取材に制限が多いことは広く知られているが、それでも同行記者団の中の特定の社を呼びつけて取材を妨害するのは珍しい。

   前日の28日の放送内容が問題視されたようだが、何が北朝鮮を怒らせたのか。

29日の昼ニュースではTBSだけ生中継がなかった

   10月29日朝には2日目の協議が始まり、各局とも昼のニュースでその様子を伝えた。NHK、日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビは平壌から生中継するなど、比較的大きな扱いだ。これに対してTBSだけ様子が大きく違い、生中継も事前録画の現地記者レポートもなく、協議の冒頭の「頭撮り」の映像を流しながら東京のアナウンサーが短く原稿を読むというスタイルだった。

   その理由を、菅義偉官房長官は同日午後の会見でこう説明した。

「政府担当者の平壌派遣に同行している記者が本29日朝に北朝鮮側からの要請を受け、我が方も外務省職員の立会いのもとで事情聴取を受けたという報告を受けている。すでに事情聴取は終了しているとの報告は受けている」

   事情聴取が行われている間は取材に出ることができず、生中継もできなかったというわけだ。その上で、菅氏は、北朝鮮側の対応を強く非難した。

「どんな意図でこんなひどいことをしたのか政府としては承知する立場にはないが、北朝鮮側に対して政府として抗議すべきは当然抗議したい」

3社が特別委員会の建物について違った角度で論評

   取材妨害の原因は。前日の10月28日夜のレポートの内容に北朝鮮にとって問題がある内容が含まれていたことにあるようだ。では、何が問題だとされたのか。

   28日夜のニュース番組で平壌から生中継したのはテレビ朝日、TBS、フジテレビの3社。各社とも、特別調査委員会の徐大河(ソ・デハ)氏が秘密警察にあたる国家安全保衛部の副部長という肩書を持っており、保衛部の現役幹部がカメラの前に姿を見せるのは異例だという点を強調した。これは北朝鮮の「本気度」を示しているともとれるが、3社の生中継ではそれぞれ違う角度で論評。特に、特別調査委員会が入居する建物の評価が大きく分かれた。

   フジテレビの記者は、「簡素」だという点を紹介した。

「北朝鮮がそれなりの人物を出席させたのは、日本側が国内の反対を押し切って訪朝したことを評価したからで、いわば北朝鮮側も日本の本気度を試したと言えます。また、委員会の事務所は、一見簡素ですが、『元々、保衛部の事務所』との情報もあり、保衛部が調査を主導していることをうかがわせています」

   テレビ朝日の記者は、生中継では

「今日取材をしていて印象に残ったことなんですけれども、実際に協議が行われた委員長室の向かい側に、分科会の部屋がいくつか作られていまして、その中の1室に、白い看板に英語でアブダクション(abduction、拉致)と明記されていたのが印象的でした」

と話すにとどまり、特段の論評はなかった。ただし、同じ番組の中で流れた事前収録のリポートでは、

「協議が行われた部屋は、およそ20畳ほどで、関係者によりますと、7月以降に改装したということですが、部屋にはまだ、かすかに塗料のにおいがただよっていました。スチール製の戸棚には、資料のようなものは見当たらず、急ごしらえの印象は否めません」

などと北朝鮮の「本気度」に疑問符をつけた。

拉致問題分科会の部屋では「熱心に作業が行われている雰囲気はなかったようです」

   TBS記者による生中継のリポートは、北朝鮮が拉致問題に真剣に取り組んでいないことを示唆する内容だ。

「調査の報告が想定より遅れているなか、日本側への配慮を示す一方で、『調査はきちんとやっている』とアピールする狙いがあるとみられます。一方でその調査の状況ですけれども、特別調査委員会が入る建物の委員長室の向かいには、『拉致問題』などと書かれた分科会の部屋もあったのですが、熱心に作業が行われている雰囲気はなかったようです」

   その上で、TBSの記者はこう続けた。北朝鮮の国内事情の変化が交渉に影響を及ぼすという分析だ。28日夜の生中継で、この点に言及したのはTBSだけだ。

「ある政府関係者は『再調査で合意した夏前とは明らかに状況が変わってきている』と話していて、先ほどのVTRにもありましたように、金正恩第1書記の動静や、北朝鮮内の権力闘争など、国内事情の影響もあり、交渉の行方が不安定なところが大きいと言えます。とにかく拉致問題の解決につなげたい日本側としては、今後も難しい交渉が続くとみられます」

   ごく当たり前の分析と思われるが、こうした指摘が北朝鮮を刺激することになった可能性もある。北朝鮮の取材妨害は10月29日午前のみだったとみられ、同日夕方のニュース番組では、TBSも平壌からの生中継が復活していた。そこでは特に呼びつけられたことについての言及はなかった。TBSの記者は帰国後に改めて説明するとみられる。

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