サザンが歌った「拉致問題」 有田議員が絶賛した理由

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   人気バンド「サザンオールスターズ」の新アルバムに、北朝鮮による日本人拉致問題を取り上げた曲が盛り込まれた。

   歌詞には、拉致被害者の横田めぐみさんを思わせる名が登場。一部内容の解釈を巡って、インターネット上はでちょっとした議論にもなっている。

  • 桑田さんの思いは横田めぐみさんの両親にも届くか(2014年3月撮影)
    桑田さんの思いは横田めぐみさんの両親にも届くか(2014年3月撮影)

有田芳生氏「いまの外交の問題点まで表現している」

   サザンオールスターズが2015年3月31日にリリースしたアルバム「葡萄」は、前作から10年ぶりの新作となる。この期間に、東日本大震災や2020年の東京五輪招致決定といった歴史的にも大きな出来事が起き、リーダーの桑田佳祐さん自身は食道がんで闘病生活を余儀なくされた。アルバム中の楽曲の中には、従来とは違った「味付け」がみられるようだ。

   そのひとつが、「Missing Persons」というタイトルの曲。北朝鮮による拉致問題を歌っている。4月3日付読売新聞電子版に掲載されたインタビュー記事で、桑田さんは、その意図について「僕の中に問題意識として潜んでいたものが、音楽に導かれて歌詞になった。僕一人じゃなくて、みんなで共有するべき問題だと思った」と語っていた。

   歌詞は、拉致被害者の帰国に関する日朝間の外交交渉が題材として扱われている。日本側は焦ってもなめられてもいけない、必ず大切な人を取り戻すんだ――こうしたメッセージ内容が見て取れる。最後は英語のフレーズの中に「めぐみ」という人名が入っている。この問題に関心がある人なら誰しも、いまだに帰国がかなわない横田めぐみさんを想起するだろう。

   参院議員の有田芳生氏が、ツイッターでこの曲に言及した。4月3日に「桑田佳祐さんが新アルバム『葡萄』で横田めぐみさんを歌っている。『Missing Persons』」と紹介し歌詞を一部引用したうえで、「いま横田夫妻に知らせた」と投稿した。さらに翌4日にツイートでは、「その歌詞がすごいのは、拉致被害者の思いに寄り添っているだけでなく、北朝鮮側の担当者が命がけであることへも想像力が届いていることだ。いまの外交の問題点まで表現している」と絶賛した。

   確かに、「北朝鮮の担当者」と明確には書かれていないものの、交渉相手の方が厳しい状況に置かれており必死だと意味する内容がある。北朝鮮に関するこうした解釈には、「誘拐犯一味を、ほめてるの?」という批判がツイッター上では見られる。一方で、「批判を覚悟でこの歌詞かいた桑田さん、かっこいい」と評価する声もあった。

最近は歌詞、パフォーマンスで批判受けることも

   長年にわたって日本の音楽シーンをリードしてきたサザン、そして桑田さんだが最近は、歌詞の内容やパフォーマンスで話題になることが増えている。2014年12月31日放送のNHK紅白歌合戦では、ちょびヒゲ姿で登場し「ピースとハイライト」を歌った。ちょびヒゲについては、アドルフ・ヒトラーをまねて安倍政権をやゆしているのではないか、さらに「ピースとハイライト」の一部歌詞が日本政府を批判しているといった指摘が、インターネット上で出た。

   桑田さんはラジオ番組で、ちょびヒゲは「笑いを取りたい」という動機に過ぎずヒトラーのつもりは全くないと説明。「ピースとハイライト」がネットで騒がれている点は「それこそが都合のいい解釈」と断言し、二度と戦争が起きないようにと平和を願う曲だと強調した。

   その安倍首相、実は昭恵夫人と昨年末にサザンのコンサートに足を運んでいる。この時桑田さんは演奏中、「衆院解散なんてむちゃを言う」という実際の歌詞にはない一説を歌う場面があったそうだ。ただ首相はコンサートを楽しんだと語ったと、2014年12月28日付産経ニュースが報じている。

   先述の読売新聞のインタビューで桑田さんは、「一部だけ切り取られて、まったく別の意味に受け取られるのは残念だなと。希望とか友好とか、前向きな思いが聴き手に残ってほしい」と語っている。「Missing Person」に桑田さんが込めたメッセージは、曲を耳にした人たちにうまく伝わるだろうか。

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