石炭火力の建設に環境省が「待った」 新設計画が多すぎる?

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   山口県宇部市で、大阪ガスと電源開発(Jパワー)、宇部興産が出資する山口宇部パワーが計画している最新鋭の大型石炭火力発電所の建設について、環境省が「待った」をかけた。

   総出力120万キロワットで、60万キロワットの設備を2025年までに2基稼働させる計画だが、一般に石炭火力は二酸化炭素(CO2)の排出量が多いとされるので、2030年時点の望ましい電源構成と温暖化ガスの削減目標が守れないという。

  • 環境省は石炭火力発電所の新設を「是認しがたい」というけれど・・・
    環境省は石炭火力発電所の新設を「是認しがたい」というけれど・・・

背景に、老朽化した発電所からの転換と電力小売りの自由化

   山口県宇部市の大型石炭火力発電所の建設計画で、望月義夫環境相は「現段階においては是認しがたい」とする環境影響評価(アセスメント)法に基づく意見を、2015年6月12日に正式に表明。所管する宮沢洋一経済産業相に意見書を提出した。

   望月環境相は、この日の閣議後の会見で「(温暖化ガス排出削減を)国際的に約束をしていく中で、石炭火力を減らす必要がある」と説明した。建設を認めて、石炭火力が増えると2030年時点の温暖化ガス排出量を、13年と比べて26%減らす政府目標の達成が困難になるとの声が根強かった。

   一方、経済産業省の2030年度の望ましい電源構成(ベストミックス)によると、石炭火力の比率は26%で、13年度の30%から引き下げを掲げている。

   電力会社としては、発電効率の高い新設の火力発電所の建設を進めることで、徐々に老朽化した火力発電からの転換を図る狙いがあるほか、2016年春からの電力小売りの完全自由化への対応もある。たとえば、関西電力が岡山県倉敷市で三菱商事と共同で石炭火力発電所の新設計画に参画したり、秋田市での新設の方針を打ち出したり、また九州電力が出光興産や東京ガスと共同で千葉県市原市に石炭火力発電所の新設に乗り出したりといった動きがそれだ。

   そうなると、たしかに既存の石炭火力が残ったままで新たな発電所が建設されると、温暖化ガスの排出量の目標も、電源構成比の公約も守られなくなるとの懸念がある。

   これまで環境相の意見は、2009年に日本化成などが出資する小名浜パワーの事業化調査の計画に対して反対の意見を述べたことで、計画が中止に追い込まれたことがある。ただ、火力発電所の建設を認可する権限は最終的に経産相にあり、環境相の意見に発電所の建設を止める強制力はない。

新規計画43基がすべて稼働で、約1億2700万トンのCO2が排出増加

   1990年以降、日本では石炭火力発電を増やしてきた。2011年度の石炭火力の発電量は2400億キロワット時で、90年度の3倍以上になっている。2014年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」でも、原発の再稼働や新設が見込めない中で、石炭を「重要なベースロード電源」と位置づけた。そんなことから、そもそも石炭火力発電所の新設計画が多すぎる、との指摘もある。

   とはいえ、石炭火力は計画から実際に稼働するまでの期間が10年程度を要する。再生可能エネルギーの太陽光発電(メガソーラー)の1年前後や風力(陸上)の4~5年と比べると、圧倒的に長い。今回、問題となった山口県宇部市の石炭火力発電所も計画では、2025年までに2基を稼働する予定だ。

   その一方で、世界をみれば石炭火力への規制は強まりつつある。たとえば、米国ではシェールガス革命を追い風に、オバマ大統領が2014年6月に発電部門からのCO2排出量を30年までに30%削減。さらにはCO2を回収して貯留する手段(CCS)がなければ、事実上、石炭火力発電は存続できないという厳しい規制案を発表した。

   また2015年6月12日まで、ドイツのボンで開かれていた第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)の準備会合でも、日本の石炭への過度な依存を懸念する声があったという。

   自然エネルギー財団によると、石炭火力は最新型であってもCO2排出量が液化天然ガス火力の2倍以上になるとし、「欧米各国が事実上、新設を不可能にする規制を導入しつつある中で、日本が大量の石炭火力発電の増強を進めれば、世界の温暖化対策に逆行する」としている。

   環境NGOの気候ネットワークによると、2011年以降の石炭火力発電所の新設計画については、新規計画は43基、設備容量2120万キロワットにのぼる。「これらの発電所がすべて建設され、稼働すれば、約1億2700万トンにのぼるCO2が排出される」としている。

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