「アナログ半導体」で活路は開けるのか ルネサス、米「インターシル」買収の目論見

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   半導体大手のルネサスエレクトロニクスが、米国の同業メーカー「インターシル」(カリフォルニア州)を32億1900万ドル(約3250億円)で買収し、完全子会社化する。

   リストラを中心とする「変革プラン」を3月で完了し、経営危機を乗り越えたルネサスにとって初の大型買収だが、前途には課題が横たわっている。

  • 初の大型買収だが、前途には課題が(画像はイメージ)
    初の大型買収だが、前途には課題が(画像はイメージ)

ソフトバンクの「アーム」買収に対抗

   「経営の軸足を、ぜい肉を削ることから、戦略的事業を伸ばすことに置く」。2016年9月13日、記者会見したルネサスの呉文精社長は、「守り」から「攻め」に転じることを宣言した。

   買収は関係国の独禁当局の承認を経て、2017年6月末までに完了させる予定。事業基盤の拡大やコスト削減によって、営業利益で1.7億ドル(約170億円)規模の相乗効果を見込んでいる。

   ルネサスは日立製作所、三菱電機の半導体部門を統合したルネサステクノロジと、NECエレクトロニクスが経営統合して2010年に発足したが、円高や東日本大震災で急速に業績が悪化。政府系ファンドの産業革新機構などから1500億円の出資を受けて危機を回避した。大規模リストラを経て2015年3月期に最終黒字に転じたが、2016年3月期の連結売上高は6933億円と、発足当初の2011年3月期の1兆1379億円を約4割下回るという、絵に描いたような「縮小再生産」の道を歩んできた。

   今回の買収の眼目は車載半導体だ。ルネサスは売上高の半分を車載半導体で稼ぎ、世界3位。2位の独インフィニオンテクノロジーズに次ぎ、首位のオランダNXPセミコンダクターズを追っている。だが、その地位が盤石かというと、不安の種がある。

   ルネサスは今回の買収で、インターシルのアナログ半導体を組み合わせた製品開発を急ぐことになる。裏返して言えば、現状のままでは、やがて競争力を保てなくなるとの危機感があるということだろう。

   エンジンを制御するマイコンや大規模集積回路(LSI)は高いデータ処理性能が必要。ルネサスやNXPの強みとする部分だ。ただ、データを処理するための半導体では、スマホ用CPU(中央演算処理装置)の「覇者」とされる英アームがいて、車載分野にもじわじわ浸透しているという。アームはソフトバンクグループが買収することで日本でも一躍、有名になったが、ルネサスにとって車載半導体での強敵になる可能性がある。これへの対抗として出てきたのが、インターシルの買収というわけだ。

   インターシルは、電圧制御用のアナログ半導体に強みを持つ。アナログというと古い技術のように聞こえるが、さにあらず、という。バッテリーなど電源から出力した電圧をきめ細かく調整するというもので、ルネサスが得意なマイコンやLSI、センサーなどの半導体と組み合わせることで、省電力で安定的、かつ正確に動作させることができるのだという。しかも、このアナログ半導体は参入障壁が高く、インターシルの優位性は簡単には揺るがないという。「アナログ半導体は(ルネサスにとって)欠けていたパズルのピース」(呉社長)という位置づけだ。

市場から「高値づかみ」との指摘も

   ただ、証券アナリストから「高値づかみ」の声も上がる。今回の買収額はルネサスの純利益の4倍にあたり、2016年6月末時点の手元資金約3900億円で賄えるとはいえ、その大半を使ってしまうことで、「今後も魅力的な案件を見つけたい」(呉社長)というM&A戦略を支える資金確保に疑念を抱かせかねない。

   実際に市場の反応は芳しいとは言えない。買収観測の報道が出始めた8月末以降、株価は600円台半ばから一時、500円台半ばまで落ちた。その後、やや持ち直したものの、買収発表当日も含め、600円台前半のボックス圏を抜け出せず、直近10月7日終値も640円。市場ではやされることは、ほとんどなかった。

   買収の真価が発揮でき、市場に評価されるには、まだ時間が必要のようだ。

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