2024年 4月 26日 (金)

女子駅伝タスキミス実況に「なんで?」 豊田自動織の1位走者が「失格」

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   「ランナーが居ない!ランナーが居ない!」。最初のタスキリレーで実況のアナウンサーが叫んだ。

   実業団の女子駅伝日本一を争う「クイーンズ駅伝」で事件は起きた。前回準優勝の強豪・豊田自動織機は第1中継所のタスキ渡しでミスが起き、失格となった。しかし、第2走者はしばらくそのまま走り、一時は区間トップで第3走者にタスキを渡した。このため、テレビ中継の映像だけでは判然とせず、ツイッター上では「なんでこれが失格!?よくわからない」という声であふれた。

  • タスキ渡しのミスで失格するチームが出た「クイーンズ駅伝」(大会公式ウェブサイトのスクリーンショット)
    タスキ渡しのミスで失格するチームが出た「クイーンズ駅伝」(大会公式ウェブサイトのスクリーンショット)
  • タスキ渡しのミスで失格するチームが出た「クイーンズ駅伝」(大会公式ウェブサイトのスクリーンショット)

2区の選手が慌てて横から飛び出す

   「クイーンズ駅伝(第36回 全日本実業団対抗 女子駅伝競争大会)」は2016年11月27日、宮城県で行われた。42.195キロを6人のランナーがタスキでつなぎ、リオデジャネイロ五輪のマラソンや5000メートル、1万メートルに出場した選手も数多く出場した日本最高峰の大会だ。

   優勝を狙う豊田自動織機は、第1区・福田有以(21)がトップと8秒差の3位で第1中継所に入るが、なぜか第2区・島田美穂(19)の姿はなかった。福田は左手にタスキを握ったまま、辺りを見回しながら中継線を超えてしばらく走る。すると、福田の左側から慌てたように島田が飛び出し、タスキを受け取って第2区を走り出した。島田は第3区・林田みさき(20)にトップでタスキをつなぐ。

   しかし、第3区の3.6キロを過ぎた辺りで実況から報告が入る。

「豊田自動織機、第1中継所でタスキ渡しのミスがあり、失格です」

   この時5位につけていた豊田自動織機だったが、順位を示すテレビ中継のテロップから名前が消され、その後ろを走る第一生命が5位と表示された。「豊田自動織機は失格のため、順位には換算されません」と実況からアナウンスされた。

   3区・林田はタスキを両手で持ち、全体9番目で第3中継所へ入ったが、失格のためつなげられなかった。林田の表情は一瞬驚いていたようにも見えたが、あまり動揺することなくコース外へ歩いて出て行った。

   問題の第1中継所のタスキリレーのシーンは、テレビ映像だけでは何がミスだったかが分かりづらく、当時のツイッターでは

「豊田自動織機チーム、なんでこれが失格!?よくわからない。駅伝ファンとしてはモヤモヤ。スッキリしないなあ」
「豊田自動織機が何で失格したのか分かってない」
「失格になった理由をタイムリーに報道しないと」

といった疑問が噴出。中には、「運営のミスか」と中継所で第2区のランナーへの連絡を怠ったのではないかといぶかる声もあった。

事務局「中継所1キロ手前に来た時点で、2区の選手を呼び出した」

   失格の原因となったミスについて、大会主催の日本実業団陸上競技連合の鎌倉光男・事務局長はJ-CASTニュースの取材に対し、

「タスキを渡した地点が中継線から20メートルを超えていたためです」

と話した。日本陸上競技連盟駅伝競走規準第6条第1項には「たすきの受け渡しは、中継線から進行方向20メートルの間に手渡しで行わなければならず」というルールが明記されており、「これに違反したため、豊田自動織機は失格とし、総合順位・タイムと2区は記録なしとしました」(鎌倉氏)という。第1中継所のシーンを確認すると、1区の福田は中継線から15~17歩ほど走った地点で2区・島田にタスキを渡している。

   運営の問題については、

「1区の選手が第1中継所の1キロ手前に来た時点で、無線を通して中継所の係員に連絡を入れ、2区の選手の呼び出しを行っています」

と話した。

   記録は「2区の選手は規定の距離を走っていないとみなされるためタイムが残りませんが、1区と3~6区は残ります」(鎌倉氏)という。第3中継所では、第4区・A.カリンジ(27)が繰り上げスタートでレースを再開、第5区・沼田未知(27)、第6区・横江里沙(22)とつないだ。大会公式サイトでも、豊田自動織機は2区以外の区間記録が公開されている。

   駅伝のタスキリレーのミスによる失格は、2015年1月の全国都道府県対抗男子駅伝大会でも起きた。第1中継所目前で倒れた愛知県チーム1区のランナーが、何とかタスキを渡そうと第2区のランナーに放り投げたところ、今回と同様に失格となった。前出の「規準」には「中継線の手前からたすきを投げ渡したりしてはいけない」と明記されていたが、当時の解説者は「あれぐらいは、という気がするんですけれど、ちょっと厳しいですね」と漏らしていた。

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