4章ではクロールを完成させます。
上半身と下半身を連携させ、手、足、ボディ、頭(呼吸)の動きが滑らかにつながるように練習します。
きれいに泳ぎ続けることをめざしましょう。
鎌倉女子大学 教育学部教育学科准教授 ●榎本 至
4章ではクロールを完成させます。
上半身と下半身を連携させ、手、足、ボディ、頭(呼吸)の動きが滑らかにつながるように練習します。
きれいに泳ぎ続けることをめざしましょう。
キャッチアップを1人で行います。水をかいた手が戻るのを待ち、両手をいったん頭の上にそろえます。体をまっすぐにしてから、反対側の手でかき始めます。
★ POINT ★
「チキンウィング」を思い出し、肩甲骨から腕を大きく使いましょう。あわてずに、この動きを繰り返し練習してください。
泳ぎはじめは、先ほどのように両手が頭の上にそろうのを待ちますが、徐々に手の戻りを待たず、自分のタイミングに合わせた動きに変えます。
★ POINT ★
スピードが速くなってきます。水をかきはじめるときは、手が肩の延長線上より内側に入らないように確認しましょう。
前に伸ばした手が入水するとき、腰から体を回転させ、伸ばした手のほうの体側を下にします。これは、呼吸を楽にするための動作です。
★ POINT ★
横向きの「姿勢変換キック」を思い出して、体は滑らかにゆったり回転させましょう。ただし頭の向きは固定します。顔をしっかり下に向け、目線はプールの底2mほど先に向けましょう。
水中での掌(てのひら)の反復動作により、推進力を生み出す技術です。
シンクロナイズドスイミングの選手は、立ち泳ぎで浮かせた体を高く押しあげるために、この技術を使います。
これがうまくできるようになると、掌で水をとらえる感覚が研ぎすまされるので、皆さんにもスカリング練習をおすすめします。
ひとかき毎に手が入水する数を、1ストロークと数えます。ストローク1、2で少しずつ息を吐き、ストローク3で体の回転に合わせて残りを一気に吐き切り、その反動で空気を吸います。
★ POINT ★
先ほどの「ヒップローリング」を、意識して行いましょう。ストローク3は、体に合わせて頭も回転させ、天井を見るように呼吸をします。
今度はストローク4と5で、体の回転に合わせてそれぞれブレス(吐いて吸う)をします。
★ POINT ★
続けて呼吸するので忙しく感じますが、ここではヒップローリングをより早く、正確に行います。1、2、3、右、左、1、2、3、左、右…のリズムで続けましょう。
2012年に行われた第30回オリンピック・ロンドン大会は、皆さんの記憶に新しいと思います。
ところでロンドンは、第二次世界大戦で中止となった回を含むと、過去4回オリンピックの開催地に選ばれています。初回は1908年の第4回大会。もともとローマ(イタリア)で開かれる予定でしたが、火山が噴火したために、急きょロンドンへと場所が移されたのです。
さて、そんな前世期はじめのオリンピックに、イマドキの中学生がタイムスリップしたら…
正解は1.何と堂々の金メダル!です。
1908年のオリンピック100m自由形の優勝は、アメリカのチャールズ・ダニエルズ。記録は1分5秒6でした。2012年9月現在、日本の中学生の100m自由形の記録は50mプールで男子が50秒66、女子が55秒78(25mプールは男子が49秒22 、女子が54秒71)。技術とトレーニング方法の進化により、中学生でも昔のオリンピック記録を破ることができるようになっています。この先、水泳の記録はどこまで伸びるでしょうか。
このミニッツ・シンキングは、鎌倉女子大学の榎本 至 准教授(教育学部 教育学科)のお話を元に構成しました。(協力:鎌倉女子大学水泳部)
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