「妊娠5年」の身で働く理由は アメリカ「偉大ではない」内実

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   イスラム圏7か国の人の入国禁止、メキシコ国境の壁建設、TPPからの離脱......「アメリカ・ファースト」を掲げ、立て続けに強硬な外交政策を打ち出すトランプ政権。もちろん、国内に目を向ければ、「再びアメリカを偉大な国にする」ために解決すべき問題もある。

   ワシントンD.C.に拠点を置くNPO法人「National Partnership for Women & Families(女性と家族のためのパートナーシップ)」が、妊娠中の女性を描く動画を制作した。その奇想天外な大きさのおなかが訴える「問題」とは――。

  • 産みたいけれど休みが取れない
    産みたいけれど休みが取れない

はち切れそうなおなかを抱え

   このNPO法人は、女性や家族の権利・教育などの発展推進を目的に活動する団体。2017年2月1日に公開した動画「A Long Five Years」では、5年間(260週)にわたり妊娠中で、はち切れそうなおなかを抱えて働くワーキングウーマンがコミカルに描かれている。

   エレベーターに乗るにもおなかが邪魔。妊娠による体温の上昇を抑えようとデスクには扇風機を何台も設置。圧迫されてトイレの回数も増える一方......。

   こんなブラックなユーモアに託しているのは、有給の産休制度が十分でない現状への抗議だ。5年間妊娠中の女性は、有給休暇が出産前後に必要な休みのぶん貯まるまで出産しない、と決意を固めて頑張っているという設定なのである。

4人に1人が産後2週間で復帰

   アメリカでは、出産にともなって休職する際に受け取る手当などの制度(paid family leave)が不十分で、一般企業で働く86%の人がその権利を有していない。そのため、一般の有給休暇を使って出産する女性が多く、4人に1人が産後2週間以内に職場復帰するというから驚きだ。

   同団体は、先進国の中でもこれほどまでに環境が未整備なのはアメリカだけだと主張し、公開した動画を米連邦議会の議員に観てもらうため、特設サイトで視聴者の署名と寄付金を募っている。

   はたしてトランプ政権はこの問題にどう対応するのだろうか。(執筆:中井千尋 編集:岡徳之)

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